「日本は国際情勢に対し当事者意識持つことが大事」 国際政治学者グレンコ・アンドリー氏
Japan In-depth / 2022年5月7日 13時0分
【まとめ】
・ウクライナ軍が現在、互角に戦っているのは西側諸国から兵器やインテリジェンス情報の提供があるから。
・ロシアが目的としているのはウクライナを属国にするのではなく完全にロシアの領土にすること。
・日常の暮らしと安全保障は直結する。国際問題は遠くある問題ではなく自分自身の問題でもあるということを念頭に置いてもらいたい。
「今、あなたの話を聞きたい」。
ロシアのウクライナ侵攻をテーマに、さまざまな立場の人から話を聞くシリーズ、4回目は、ウクライナ人の国際政治学者、グレンコ・アンドリー氏。戦況の見通し、西側諸国の支援、日本の立ち位置、妥協論などについての考えを聞いた。
■ 戦況の見通し
藤澤:これまでウクライナ軍とロシア軍は互角に戦っているようにみえる。この点をどう考えるか?
グレンコ氏:最初ロシアがウクライナを攻撃するとき、簡単に勝てるという間違った見立てをたて同時に多方面から地上軍を出して、それに先立って空挺部隊をウクライナ各地に着陸させるという作戦を実行した。しかし一気に多方面から攻撃するとある程度の抵抗にあい、作戦はうまくいかない。こういった作戦は相手が自分より圧倒的に弱い場合のみ成功する。最初の作戦が失敗してロシア軍はかなりの損害を受けた。その後、ロシア軍はひとつずつ、地方ごとにウクライナを制圧する作戦に変え、今度はウクライナ東部で兵力を集中させ少しずつウクライナ国土を占領しようとしている。もしロシアが最初からこのような作戦を行っていればおそらく実際より成功しているはずだ。逆にこのような最初の作戦の失敗のおかげでウクライナが戦争に対して準備する時間ができて、3月中に西側から多くの兵器を受け取って長期戦に備えることが出来た。ロシア軍の作戦が変わってウクライナ東部が主戦場となった4月中旬にはウクライナ軍は兵器含め準備ができたので勝ったとは言えないが互角に戦えている。加えて最初の作戦が失敗すると途中で変わるのは色々大変なのでうまくいっていない。
藤澤:今後東部においてウクライナ軍はどのような動きを見せると思うか?
グレンコ氏:ここから数か月の間に大きな動きはないとみられる。小さい町、土地の取り合いはあるが大きな戦線の動き、つまり数100キロの単位でどちらかが進んだり後退することはないと思われる。今両軍は第2次世界大戦の特殊戦争に近い戦い方が想定される。もちろんウクライナ軍も戦線の動きがあまり見られない長期戦の準備をしており、おそらくロシアもそういった作戦に切り替えるとみられる。
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