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「日本は国際情勢に対し当事者意識持つことが大事」 国際政治学者グレンコ・アンドリー氏

Japan In-depth / 2022年5月7日 13時0分


写真)ウクライナ被災民救援空輸隊の出国行事 C-2輸送機等により、6月末までの間、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がUAE(ドバイ)に備蓄している人道救援物資をポーランドとルーマニアに輸送する。2022年5月1日 埼玉県入間基地


出典)航空自衛隊公式Twitter


 


■ 「大ロシア構想」について


藤澤:今回の戦争の大きな理由としてプーチンの「大ロシア構想」(※2)があるが、これについてどう考えているか?


グレンコ氏:その通りだと思う。プーチンやプーチンを始めとするロシアの指導層の考え方では、かつてあったソ連とその前にあったロシア帝国が持っていた全ての領土はロシアの領土であり、旧ソ連や旧ロシア帝国の領土は全てロシアが取り戻さないといけないという考え方に基づいて行動している訳だ。彼らの目から見ると、そのような考えは正しいことなので、「他国を侵略している、征服している」という自覚を持っていないと言える。


その中で特に問題となっているのはウクライナだ。ロシアにとって、ウクライナはロシアの一部なので、何としてでも支配下に収めたいという願望が強い。こういう願望が今回の戦争を行った1番大きな理由となった。つまり、戦略とか地政学的な要素がメインの原因ではなく、むしろ思想的な要素がメインであり、資源や緩衝地帯が欲しいといったことは全く関係ない。そして大事なのはロシアが目的としているのはウクライナを属国にするのではなく完全にロシアの領土にすること。もしロシアが勝てば待っているのはロシア連邦への完全な移譲である。



写真)タヴリーダ宮殿での立法者評議会で講演するプーチン露大統領 2022年4月27日 ロシア・サンクトペテルブルク


出典)Photo by Contributor/Getty Images


 


■ 「妥協論」について


藤澤:一方橋下徹氏を始め、ウクライナ側も妥協すべきだ(注3)との意見が依然ある。こうした意見についての考えを改めて教えてもらいたい。


グレンコ氏:この様な発言は現地の内状が分からない人の意見だ。この様な意見が出てくるのは、ある程度、妥協をすれば戦争が終結するという思い込みがあるからでそれは誤解だ。ロシアの思惑というのは、ウクライナを中立国にすることではなく、完全にロシアの領土にすることだ。橋下徹氏の様な中立国になれば戦争が終わるという考え方はロシアの思惑を完全に理解していないといえる。


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