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安倍元総理の軍拡に対する反論

Japan In-depth / 2022年5月25日 8時49分

ドイツは2022年予算から、1,000億ユーロ(約13兆円)の特別基⾦を設⽴。 新規借⼊によって特別基⾦の財源を調達し、借⼊の償還⽅法については、別途法律で定める予定だ。スウェーデンは2022年~2025年にかけて、毎年50億クローネ(約550億円)を増額。国防費増額の財源として、たばこ税・酒税の引上げ、⼤規模⾦融機関向け銀⾏税の導⼊を発表している。(グラフ2)



グラフ2 出典)財務省『防衛』2022年4月20日(P.10)


2021年度で日本と中国の国防費の差は3.5倍だが、名目GDP比は3.7倍となっている。つまり中国は経済成長に合わせて「無理のない軍拡」を行っているということだ。(グラフ3)



グラフ3 出典)財務省『防衛』2022年4月20日(P.13)


対して我が国は国債と借入金、政府短期証券の残高を合計した1,200兆円、GDPの約2.6倍以上の財政赤字を抱えており、主要国中最悪である。いつまでも野放図な借金ができるという根拠はない。


日銀は、円安は悪くないと強弁して金融緩和を堅持しているが、これが続けば更なる円安が進み、コストプッシュ型インフレで国民の所得は上がらず消費は冷え込むだろう。そうなればさらなる円安の悪循環がまっている。かといって日銀が利上げをすれば国債の利払いも増える。財務省は金利が1パーセント増えれば国の利払いは2年後に年3.7兆円、2パーセントならば7.5兆円増加すると試算している。つまり、防衛費程度の増加が必要となる。そうなれば「軍拡」どころではあるまい。


率直に申し上げれば、「借金軍拡」はアベノミクス失敗を糊塗して国民の目をそらすためではないか。安倍元首相は10年でGDPを600兆円にするといったが、21年度は537兆円で遠く及ばない。国民1人当たりの所得を150万円アップするといったが、国民の手取りは逆に大幅に下がっている。「公約通り」であれば、税収も大きく増えて借金で軍拡をする必要はなかったはずだ。上がったのは株価だけで、国の借金は800兆円から1200兆円と大幅に増えた。コロナ禍ということを差し引いても失敗だろう。


借金で軍拡するというのはアベノミクスが失敗だったと宣言しているようなものだ。


安倍政権、黒田日銀は円安誘導によって2パーセントのインフレを実現すれば国民は消費を増やすので景気は良くなると主張し、それを岸田政権も継承している。そして現在その「待望」のインフレ率2パーセントが実現したが、景気は良くなるどころか悪化する一方だということを国民も実感している。国の借金は将来国民の税金で返していかなければならない。


このような環境で借金による軍拡は自ら危機を招く自殺行為であり、それは仮想敵である中国にとっては勿怪の幸いであろう。


トップ写真)安倍晋三元首相


出典)Photo by Kiyoshi Ota - Pool/Getty Images


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