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「石原慎太郎さんとの私的な思い出5」 続:身捨つるほどの祖国はありや 18

Japan In-depth / 2022年6月14日 12時0分

文学界の編集者で石原さんの『灰色の季節』に才能を感じた浅見淵は、「一橋文芸」と言う同人誌にでていたのだから、機会があって伊藤整に、素晴らしい才能のきらめきのある学生の話をしたのではないか。伊藤整は、それは私に金を借りに来た好青年のことだとでもいったろう。浅見氏は勇気百倍、石原氏に接触して、次作を書かせた。『太陽の季節』である。


それに芥川賞をやろうという話が伊藤整と文藝春秋の間でまとまっていたのではないか。


私の疑いに過ぎない。


しかし、石原さんは伊藤整のお蔭で小説家になり、一家の財政破綻を救い、昭和の戦後を象徴する人物になることができた。律義な石原さんのことだ、どれほど感謝していたか想像ができる。


その役割の一部が、この変わった弁護士作家で再現できるのではないか、と思ったのだろう、と考えるのである。


いややこの世にいない、虚無になってしまった石原さんはなにも答えない。私は、虚空に向かって叫ぶだけのことしかできない。しかし、私のなかの石原慎太郎さんは消えていない。生きている。


(つづく)


トップ写真:IOC Executive Board and the 2016 Candidate Cities BriefingLAUSANNE, SWITZERLAND - JUNE 16: Tokyo 2016 Olympic bid President Shintaro Ishihara speaks to the press prior to there presentation bid and technical plans for the Olympic and Paralympic Games for 2016 on June 16, 2009 in Lausanne, Switzerland. (Photo by Ian Walton/Getty Images)


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