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「石原さんとの私的思い出10(完)」続:身捨つるほどの祖国はありや26

Japan In-depth / 2023年1月11日 23時6分

石原さんの頭の中での素早いストーリー展開についていけず、私は、


「西脇は堤義明さんがヒントですか?


堤さんの場合は、国土計画というホールディング会社があって、その子会社で唯一の上場会社だった西武鉄道の株式保有が名義株主で不明なところがあったんでした。


弁護士の社外監査役が問題にしましてね。いろいろ堤さんの側もがんばって、顧問税理士が登場して交渉とかあったのかもしれません。でも、結果はご存じのとおりですよ。


あんな些細なことしか堤さんの側にはみえないことで、王国全体が崩壊する。堤さんは逮捕までされてしまう。


石原さんの小説でも、税理士さんが、主人公の切れ者ヤクザの英造と話すとか、いろいろとプロットはあり得ると思いますが、上場会社を絡めるっていうのは、また別の世界ですからね。


西脇の顧問税理士とその英造っていう切れ者ヤクザが交渉して、いったんはうまくまとまりかける。


ところが、そのまとめ方っていうのが、音楽財団が絡むので、そこの背任問題になって、英造に再攻撃の口実を与えてしまう、っていうことはどうでしょうか。」


石原さんからは、「創業者っていうのが薬をやっているっていうこともあり得るよね。」


とか奔放なアイデアが出てきた。


「財団の関係者が自分の子とわかって、そうなると西脇にとって自分の妻への恥ずかしさとか、いろいろあり得るよね。」


翌日、2月26日にもお電話をいただいている。


「同族会社でも上場していて、西武がそれで、名義株が問題になったというのはよくわかった。


ところで、非上場でも名義を散らす必要ってあり得るの?」


と質問された。


もちろんである。


私は、「はい、相続と上場はまったく別のことですからね。非上場会社だと、上場会社と違って、名義を散らすのはやり放題というか、むしろ相続がらみで珍しくないことですよ。」


と答えた。


さらに石原さんからは、当時話題になっていた姉歯事件について、


「あれは堀江の件と同じようなものなのかな」と問われた。


私は、「いや、堀江さんの件は公認会計士の監査がある会社の話ですし、姉歯のほうは一級建築士の問題ですから、同じプロフェッショナルの問題ではあっても、性質が全然違いますよ。」


と申し上げた。


しかし、いつもと違って石原さんは石原さんなりの理由があってのことらしかったが、なかなか納得せず、


「後藤田とかナミレイの松浦、それに検事、亀井、藤井とか、いろいろあるがなあ」


と、私には詳しい説明抜きに、石原さんなりの感想が飛び出してきて、その日は終わった。どうして検事の話まで出てきたのかは、私にはわけがわからなかった。


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