オスプレイは陸自から海自に移管すべき
Japan In-depth / 2023年2月1日 11時0分
オスプレイは速度では固定翼機にはかなわない。ターボプロップ式の典型的な輸送機C-130Jの巡航速度時速634キロに対してオスプレイは時速443キロに過ぎない。つまり、ヘリほどの器用な空中機動はできず、また固定翼機ほど高速はでないという、ある意味中途半端な機体である。
防衛省は2014年度の予算でティルト・ローター機の導入に向けた調査として1億円の予算を計上したが、期間はわずか半年程度。オスプレイ導入ありきのアリバイ工作と言われても仕方ない。そして防衛省がオスプレイの競合機として挙げたのがアグスタウェストランド社(元レオナルド社)のAW609である。同機は当時完成もしていなかったし、基本的にビジネスユースで搭載量も少ない。これを競合機というのは、トラックを更新しようとする運送会社が10トントラックも、軽自動車もタイヤが4つだから同じ自動車だ、と強弁するに等しい。この点からもオスプレイ導入のいかがわしさが伺える。(参照:『オスプレイ選定の不透明、対抗馬は商用機?』 https://toyokeizai.net/articles/-/51614 )
陸自の運用にオスプレイは向かない上に費用対効果が悪い。陸自の航空隊に予算の余裕はない。オスプレイの調達費用3600億円はおおむね陸自のヘリ調達予算の10~12年分である。オスプレイ1機の整備費は年間約10億円とされており、17機ならば170億円だ。対してこれまでの陸自のヘリの整備予算は年間220億円程度にすぎない。オスプレイはその3分の2を食うことになる。
オスプレイ導入前から陸自ヘリ部隊の稼働率は低く、パイロットの飛行時間も年80時間程度と大幅に減っている。オスプレイを導入できる余裕はどこにもなかった。昨今自衛隊装備の稼働率の低さが問題視されているが、陸自航空隊の低さを悪化させたのは安倍政権の政治決断といえるだろう。
このようなオスプレイだが海自ならばもっと有用に使えるだろう。それは先述のようにDDHへの搭載と特殊部隊用だ。
海自ではDDHに哨戒機の護衛艦の救難や、ヘリのエンジンやローターブレードなどの輸送のための汎用大型ヘリを導入するUH-X(次期多用途ヘリコプター)計画があった。UH-X選定に先だって平成23年度に開催された、海上自衛隊の直轄部隊の長が集まる最高意思決定機関である海上自衛隊会議において、候補機は大型で、できれば既存機との共用を考慮するという方向性が確認されていた。そうであれば始めから輸送・掃海ヘリMCH-101の一択しかなかった。
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