海上保安庁を国境警備隊に改変すべき
Japan In-depth / 2023年2月19日 18時0分
またこの部隊を在外公館の警備に使用してもいいだろう。現在警察と防衛省が分担して刑務官を出しているが、警備の体制は必ずしも充分ではない。いずれも警備の専門家ではない。単一の組織がすべて担当し、ノウハウの蓄積を行う方が理にかなっている。これらの要求を満たすには軽歩兵、特殊部隊、在外公館警備用部隊、ヘリコプター部隊などが必要で、陸自の3個普通科(歩兵)連隊程度(約2千名)から1個旅団(3千名)程度の人員が必要だろう。それらの人員や装備は防衛省から転籍させればいい。
更に国境警備隊化させた海上保安庁を将来発展させて、国家警察としての機能を持たせることも考慮すべきだ。先述の通り、我が国には全国をカバーし対外交渉もできる国家警察存在しない。このため、保安隊に米国のFBIやフランスの国家警察のように通常の犯罪捜査も担当する捜査機関が必要である。広域事件や外国がらみの犯罪はこの広域捜査機関が担当し、各都道府県警はその指揮下に入る。広域捜査機関は国際犯罪の捜査も担当するまた主要国の在外公館に要員を常駐させ、その国の治安当局との連絡に当たらせる。
現在我が国の警察で国際事件を担当できるのは実質的に一地方警察に過ぎない警視庁だけといって過言ではない。警察庁や他の地方警察では人員や、設備、訓練の面で不可能である。我が国がスパイ天国と言われて久しいが、都道府県警の公安部並びに公安調査庁を統合し、国家警察、フランスのDST(国土保安局)や英国のMI-5のような我が国全土をカバーする情報、防諜組織を編成するべきである。これにより、国内の保安機関を統合し、防諜情報を統合的に収集・分析するシステムを作るべきだ。
恐らくこのような構想に関して警察官僚は、自らの機能不全には目をつぶり、「縄張り荒らし」だと強烈に反対するだろう。だが、自分たちの「縄張り」と国家の安全保障や国益のどちらが大切かを冷静に判断すべきだ。国境警備と日本の警察システムの再設計が必要だ。
トップ写真:G8 サミットでテロ攻撃の可能性等に備え、東京湾で海上保安庁 60 周年記念レビューと統合演習中を行う。(2008年5月17日東京・東京湾)出典:Photo by Koichi Kamoshida/Getty Images
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