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平成15年の年賀状「宮島、パリ、青山と私」・「広島へのセンチメンタル・ジャーニーと青年弁護士のボルネオ島への旅のことなど」

Japan In-depth / 2023年6月16日 11時0分

こんなこともあった。


三井物産の常務だった方の証人喚問を申請したときのことである。三井物産はまさに全力を挙げてという表現のふさわしい、断固たる決意をもって強硬に反対し、論陣を張った。結局、裁判所は認めなかった。これも時代である。いまはすっかり変わっている。もし尋問が実現していたら?結果は違ったろうと私と上司のパートナーは話しあったものである。


ずいぶん頑張った。台湾にも行った。三井物産の旧首脳の関係者がいたのだ。


この事件は、契約締結上の過失の事件として昭和60年の重要判例集にという有斐閣のジュリストの別冊に出ている。大学の先生からのお問い合わせもなんどもいただいた。裁判には勝ったのである。しかし、契約違反ではなく不法行為として判断されてしまったのである。


裁判後、依頼者の好意でマレーシアのサラワク州にあるクーチンという名の街に招待された。クーチンとは猫という意味だそうである。彼が総督から譲り受けたという大きな船に乗って、彼の持っている島に出かけたりもした。


その島で聞いたのが、御巣鷹山での日本航空の事故だった。私はそのときカリマンタン島、旧称ボルネオ島のサラワク州にいたのである。35歳になっていた。


トップ写真:厳島神社の鳥居(廿日市市、2014年11月24日)


出典:Photo by Yuriko Nakao/Getty Images


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