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「世界から白内障による失明を無くす」アショカフェロー デビッド・グリーン氏

Japan In-depth / 2023年8月15日 23時0分

その競争心が原動力となり、大企業と同じ品質の製品を作り、付加価値以外のマージンを取り除き、低所得者にも手が届くようにしたのです。


安倍:具体的にはどのようにしてそれを実現したのですか?


グリーン氏:私は、自分なりの法医学的な原価計算や、その製品の作り方を知っている人や知識を持っている人を見つけ、専門知識と資金を集めてチームを作り、製品を開発してきました。また、サプライ・チェーンを解体して、全体の本当のコストとマージンを理解し、何かを作るのに本当は何が必要なのかを調べたのです。そして、そこから技術、製造、規制当局の承認、サプライチェーン全体を一から見直し、新しいサプライチェーンを構築し、付加価値以外のマージンを取り除くことで、手頃な価格にしました。


つまり、その多くは「見る」ことなのです。あらゆるものを研究し、コストを大幅に削減できることを理解することで、モノを作るのに本当はそれほどコストがかからないという現実を知るのです。というのも、私が作るものはほとんどすべて、同業他社とほぼ同じコスト構造になっているからです。それは、マージンを取り除くことに関係していると思います。


安倍:白内障の治療をより低価格で多くの人が受けられるようにするビジネスモデルはどのようにして出来たのですか?


グリーン氏:私が学んだことはすべて、ある種偶然に学んだことであり、振り返って次にやるときには修正してもっとうまくやろうと思ってきました。


私はアラビンド眼科病院で何年も働きました。ほとんどの白内障手術は、水晶体全体を取り除き、患者に白内障用の眼鏡をかけるという古い方法で行われていました。


80年代に入ると、日本やアメリカなどで眼内レンズが大量に使用されるようになり、アメリカの白内障の手術件数は、10年間で10万件から300万件にまで増加しました。そこで私は、眼内レンズやすべての器具、その他の備品を寄付してもらい、それらをインドとネパールのプログラムに送り、眼科医を募り、レンズを埋め込む最新の手術の研修を受けさせました。その結果、人々は手術費用が払えないという理由で失明するということがなくなりました。これらのプログラムは自己資金で運営されるようになったのです。


その後、寄付が途絶えたとき、私は眼内レンズを自ら作ることに目を向けました。私はビジネスやエンジニアリングのバックグラウンドはありませんが、公衆衛生のバックグラウンドは持っています。


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