1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「世界から白内障による失明を無くす」アショカフェロー デビッド・グリーン氏

Japan In-depth / 2023年8月15日 23時0分

そこで私は、レンズを寄贈してくれたすべての企業に出向き、5つほどの工場を見て、技術や設備を理解するための背景を学びました。そうしてすべての製造過程の現場を見ることで、一緒に働く人を選ぶことができた。結局、一緒に資金を調達し、インドで初めて手頃な価格で眼内レンズを製造する工場を作りました。


その後、私は多くの技術移転を行いましたが、その多くはゼロからの技術開発でした。技術開発を助けてくれる本当に優秀な人たちと仕事をすることで、企業よりも個人と仕事をする方が簡単だということを学びました。企業は通常、知的財産を保護し、製造方法を共有したがらないからです。だから私は、単に技術を解明するだけでなく、本当に自分のやっていることを理解し、私と一緒に仕事をしてくれる適切な専門家を見つける宝探しのようなプロセスを学んだのです。


安倍:ゼロから工場を作るのはものすごく大変なことだと思いますが、重要なのは同じ目標を持つ協力者を得ることなのですね。


グリーン氏:私が働いていたインドのセヴァ財団というところがあるんですが、有名なロックグループのグレイトフル・デッドがセヴァ財団のためにたくさんの慈善コンサートを行ってくれました。で、グレイトフル・デッドのファンのひとりが手紙をくれたんです。返事を書いたら、その人の会社は縫合糸、つまり眼を含むあらゆる手術に使う針と糸を作っていることがわかりました。


その後、彼の父親と叔父が、アメリカの大手縫合糸会社であるUSサービスに会社を売却することになりました。そして彼はヨーロッパで外科手術用製品の製造と研究開発を担当していてちょうど退職したところだったので、「ぜひ一緒に働こう」と誘ったんです。それで彼は来てくれました。そして私たちは、最先端技術を駆使して縫合糸工場全体を非常に安く作り上げたのです。彼は、特許や知的財産を回避する方法を知っていました。そして今も、知的財産を侵害することなく、斬新な知的財産を創造し、秘密保持契約を侵害することなく、モノを作る方法を探し続けています。



写真)Aurolab 縫合糸製造。 縫合糸の製造は1998年に始まった。アウロラボは縫合糸のコストを12本入り1箱240ドルから24ドルに引き下げた。


Aurolab suture production.  Suture manufacturing began in 1998. Aurolab reduced the cost of sutures from $240 for a box of 12 to $24.


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください