【ファクトチェック】サンデーモーニング松原氏「処理水はまったく違う水」⇒根拠不明
Japan In-depth / 2023年9月9日 22時28分
ALPS処理水のモニタリングについては、IAEAレビューの枠組みの下で、IAEA及びIAEAから選定された複数の第三国分析・研究機関が、処理水中の放射性核種を測定・評価するソースモニタリングの比較評価及び環境中の放射性物質の状況を確認する環境モニタリングの比較評価を実施してきています。現在実施されているIAEAによる比較評価には、IAEAの放射線分析機関ネットワーク(ALMERA)から、米国、フランス、スイス及び韓国の分析研究機関が参画しています。IAEAによるモニタリングは、IAEAを中心としつつ、第三国も参加する国際的・客観的なものです。例えば2022年11月7日から14日にかけて、IAEA海洋環境研究所の専門家に加え、フィンランド及び韓国の分析機関の専門家が来日し、現場において試料採取及び前処理を確認しています。
したがって、いわゆる「IAEAのモニタリングメカニズムには、これまでに他の国や国際機関の現場への参加は行われておらず、これでは、真の国際モニタリングとは言えず、透明性を著しく欠いている」という中国側の主張は、事実とは異なるものです。
IAEAは、原子力分野において、関連安全基準を策定・適用する権限を有しており(注1)、関係国際機関及び中国を含む全IAEA加盟国との協議を経て、人・環境への影響に関するIAEA安全基準を策定し、様々なレビューを実施してきています(注2)。政治的な目的によってIAEAの活動を貶めることは受け入れられません。また、IAEAの権威・権限を否定することは、IAEAの安全基準に依拠して設定された中国の安全基準さえも否定するものであり、原子力の平和的利用の促進を阻害する極めて無責任な主張です。
(注1)IAEA憲章第3条A6(IAEAの権限)
国連機関等と協議、協力の上、健康を保護し、人命及び財産に対する危険を最小にするための安全上の基準を設定し又は採用する。
(注2)「IAEA安全基準作成に係る戦略及び手順(SPESS:STRATEGIES AND PROCESSES FOR THE ESTABLISHMENT OF IAEA SAFETY STANDARDS)」
「サンデーモーニング」放送後、多くの批判がなされた。放送の2日後の9月5日、松原氏はX(旧Twitter)に以下の通り投稿した。
https://twitter.com/matsubarakoji/status/1698861778145570949?s=20
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