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ボストン・ウェルネス通信その1:薬で痩せるのはずるい!?

Japan In-depth / 2023年12月29日 7時0分

ただし、クリニックの他の患者たちと同じように、イソタロさんも、体重を減らして維持する意志力を見つけるよりも、肥満治療のために注射を受けたことで他人から批判されるのではないかという恐怖といまだに闘っています。それでも、この薬は「私の人生を変えた」と言います。





同クリニックには、イソタロさんのようにウゴービの使用を認めたがらない人もいますが、それはウゴービを利用している人は「ズルをしていると思われる」という信念からきています。





さて、これほど画期的な薬ですが、多くの人が1年以内にセマグルチドの使用をやめてしまいます。





● セマグルチド、1年後の処方継続は40%





クリーブランド・クリニックの研究者らは、さまざまな抗肥満薬の「3カ月、6カ月、12カ月の時点での継続状況」「12カ月間治療を継続している要因」を調査し、2023年12月6日の医学誌「肥満ジャーナル」(9)に報告しました。





対象は、2015年から2022年の間にFDA承認の抗肥満薬を初回投与された、体格指数(BMI)が30以上の成人計1,911人です。





追跡期間の中央値は2.4年で、全体の投薬継続率は3ヵ月時点の44% から 6ヵ月時点では33%に低下し、12ヵ月の時点ではわずか19% に減少しました。セマグルチドの継続率は最も高く、3ヵ月63%、6ヵ月56%、12カ月で40%でした。ちなみに、ナルトレキソン・ブプロピオンなどの古い世代の抗肥満薬の処方を受けた参加者では、1年経っても処方箋を受け取り続けた人はわずか10%でした。





6ヵ月時点の体重減少が大きい人ほど、1年後に治療を継続する可能性が高く、6ヵ月時点の体重減少が1%増加すると、1年後でも継続する確率が6%増加しました。1年後に治療を継続した患者は、12ヵ月後の体重減少が平均10%でしたが、継続しなかった患者はわずか2%でした。





つまり、減量効果がなければ治療をやめてしまう。また、この調査の参加者のほとんど(84%)は民間保険に加入していますが、減量薬の服薬アドヒアランスは保険会社によって大きく異なっていました。民間保険では、適用範囲は保険会社によって異なり、適用される場合でも厳しい事前承認基準の対象となります。





ただし、他の慢性疾患管理と同様に、セマグルチドの治療を中止すると、体重が戻り、健康上の恩恵が減ることが研究で示されています。それに、セマグルチドの健康上の利点は減量だけではありません。





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