ボストン・ウェルネス通信その1:薬で痩せるのはずるい!?
Japan In-depth / 2023年12月29日 7時0分
● 減量薬に対する考え方の変化
2023年12月14日のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)の報告(10)によると、大規模な多施設共同の国際臨床試験の結果、『肥満または過体重であるが糖尿病ではない人』が、セマグルチドの治療を3年以上受けると、心臓発作、脳卒中、または心血管疾患による死亡のリスクが、プラセボ群の参加者に比べて20%低下しました。また参加者は、セマグルチドにより平均 9.4% 体重が減りました。
この調査は、2018年10月から2023年6月まで、過体重または肥満で、過去に心臓発作、脳卒中、末梢動脈疾患を患っているが、1型糖尿病や2型糖尿病のいずれにも罹患していない45歳以上の患者が対象です。41カ国の1万7000人以上の患者が登録され、セマグルチド2.4mgまたはプラセボを週1回注射する群に無作為に割り当てられた後、平均40カ月間追跡調査されました。
ちなみに、この試験は1型または2型糖尿病のない成人を対象としたセマグルチドの最大かつ最長(4.5年間)の試験です。その結果は、大きな反響を呼び起こしています。
論文の結果が、フィラデルフィアで開催された米心臓協会の学会で発表された日、ニューヨーク・タイムズ(11)に、ウゴービとオゼンピックを製造し、この研究に資金提供したノボ ノルディスク社は、「すでにFDAおよび欧州連合(EU)の規制当局に、ウゴービが、特定の患者の心血管イベントのリスクを減らすことを含む表示に更新するための書類を提出した」そうです。
また、ワシントン大学医学助教授スコット・ヘーガン博士は「この新しい知見によって、より多くの保険会社がウゴービをカバーするように圧力がかかり、メディケアもカバーするようになる可能性がある」といいます。
さらにノースウェスタン・メディシンの医療経済学者リンゼイ・アレン博士は、「この研究はもう一つの重要な結果をもたらす可能性があります。それは、医療現場と一般大衆に、ウゴービとオゼンピックを単なる虚栄心の薬としてではなく、慢性疾患の治療法として捉えるよう促すことです」「明らかに、これらの減量薬に対する考え方の変化を示しています」と語ります。
ところで、病気の治療としてではなく、痩せている女性がさらに痩せるためにオゼンピックを希望する問題があります。これは、健康上とても危険で、さらに老け顔の原因になります。
● オゼンピックは、脂肪だけでなく筋肉も減らす
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