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米中のネオ・デタントが始まる?(上)【2024年を占う!】国際

Japan In-depth / 2024年1月1日 23時10分

そればかりか、12月25日には、ドネツク州のマリンカという街が、ロシア軍の手に落ちた。ここは2014年に親ロシア派とウクライナ政府との紛争が勃発して以来、最前線の拠点として、9年間にわたりウクライナ軍が死守してきた。ロシア軍の士気が上がり、ウクライナ軍が大いなる精神的ダメージを受けたことは想像に難くない。





しかも1月のウクライナは、雪と氷雨、なによりもそれがもたらす泥濘によって、戦車などがきわめて動きにくくなる。地面が固まり始める2月頃まで、次なる大規模軍事作戦は発動しにくいだろう。そもそも、この戦役が始まったのは2022年2月24日であった。





とは言え、ロシア軍が苦境に立たされていることに変わりはない。





なにしろ、砲弾の不足が深刻になったことから、北朝鮮に供与を求め、見返りに食料や軍事技術の提供を約束したとされる。ところが、北朝鮮から供与された砲弾は信管がまともに作動しない(つまり100%近く不発になる)欠陥品ばかりで、見返りにロシアから送られた小麦粉は賞味期限切れであったという、笑うに笑えないオチがついた。





しかし、そのまた一方では、ロシア経済は思いのほか堅調で、そのことがプーチン大統領の再選(12月、立候補の意思を表明)を確実視させる要素になっているとも聞く。





もちろん、これにはカラクリがある。





ロシア軍は今次の戦役で、3000輛以上もの戦闘車両を喪失した。





これを補うべく、有名なウラル戦車工場(現在も国営企業ROSTEC社の傘下にある)では、民生用のトラックや農業機械、バスや電車まで手がけていたものを、戦車と自走砲の生産に集中することとし、今では昼夜兼行で操業している。





他の工場も状況は似たり寄ったりで、いずれ民間の流通などに支障が出るに違いないのだが、直近の現象面だけ見れば、製造業が大いに活気づき、GDPを押し上げているのだ。





ご案内の通り、昨年2月の侵攻開始を受けて、日本を含む西側諸国は一斉に対ロシア経済制裁に踏み切り、携帯電話会社からマクドナルドまで、多くの企業がロシアから撤退した。





にも関わらず、市民生活には心配されたほどの影響が及んでいないという。





理由は簡単で、中国という巨大なサプライヤーが存在するからだ。





さらに言えば、徴兵年齢の上限を引き上げて対象を拡大するなど、あの手この手で補充兵を集めているが、この結果、多数の労働者が生産点から引き抜かれ、その結果として失業率が下がってきていると聞く。





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