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風雲急を告げる東アジア安全保障 Part2「日本の防衛」Japan In-depth創刊10周年記念対談 元防衛相小野寺五典氏

Japan In-depth / 2024年1月15日 0時0分

風雲急を告げる東アジア安全保障 Part2「日本の防衛」Japan In-depth創刊10周年記念対談 元防衛相小野寺五典氏




安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)





【まとめ】





・防衛装備の移転問題。日英伊共同で次期主力戦闘機を開発する。





・核の現実というのをしっかり理解して核の傘の中にいないと無責任。





・今回の防衛費は新しい技術開発に取り組むための大事な予算。





 





Japan In-depth創刊10周年記念動画第2弾、元防衛相小野寺五典衆議院議員と対談。Part1「台湾有事」に続くPart2「日本の防衛」について話を聞きました。





■ 防衛装備移転問題





安倍: 前回に引き続き台湾有事関連のお話を伺いますが、まずは防衛装備の移転問題がありますね。現在、イギリスとイタリアとで共同で次期主力戦闘機を開発するという話が動いていますが、知らない方が多いと思います。具体的にどのようなことなのでしょうか?





小野寺: まず日本の防衛装備の移転の歴史ですが、日本は平和国家であるということで、国会では歴代総理が武器の海外輸出を否定してきまhした。しかし、実は日本敗戦後に特需というのがありましたよね。





安倍: 「朝鮮特需」ですね。





小野寺: そうです。あの時、日本がまず初めに売ろうとしたのが武器でした。朝鮮戦争を含め、あの時期周辺国では弾薬等の需要が急激に上昇していました。そこで、日本が多くの弾薬等を生産し提供したのです。日本が敗戦からの第一歩は武器輸出でしたが、その後日本の経済成長を遂げたので、武器を輸出しなくても様々な家電製品や自動車産業が伸びていきました。





また、当時は冷戦が終盤に差し掛かってきていましたので、世界的にも紛争は少なくなっていました。そうした中、国会の答弁では、以前の様々な主要閣僚が「武器輸出三原則」みたいなことを言いました。実はこれは法律でもなんでもありません。日本の政治家が発言した、いわば政策的な方向性ということでいままでずっときた。しかし、最近すごく難しくなってきたのは、防衛装備の技術が上がってきた、かつ高くなってきた。いままで自分の国だけで開発して作ってきたのですが、それでは新しい技術に対応できないし、ましてや一定数生産しなければ一個一個の値段が下がらない状況になっているため、国際共同開発が主力になってきました。





例えば、今日本が主力にしているF35という戦艦も国際共同開発で作られています。500機程装備されていますが、日本の複合材やステルス塗料の技術が使われています。一方で、日本は開発に入れなかった。結果として日本の技術が使われているのに、日本はただ開発国から買ってきて組み立てることしか許されない。中のいろんな装備を変えて日本のミサイルを取り付けることもできない。これは、その時日本が共同開発に入れなかったからであり、現在でも日本の政治は、国際的な共同開発のなかに入って、日本としてその製品を作って対外的に輸出することが出来ない状態にあります。このままでは、世界中は共同開発で新たな装備を作り、それぞれの装備の単価を下げ、どんどん強くなっていくのに、日本だけがガラパゴスのようになってしまう。









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