平成29年の年賀状
Japan In-depth / 2024年2月16日 21時4分
秋田氏は私よりも9歳年下で、なんと広島県のご出身とあるからご縁があるようである。高校はどちらでいらっしゃったのだろうかと思ったりする。
「定期的にトレーナーについて運動を始め」、得意になって「片足で椅子から立ち上がること、それが当面の目標」などと書いてしまったら、「片足では立ち上がれないような大怪我をされたのですか?」という心配をしてくださった方がいた。そうか、この文章はそのようにもとれるのかとずいぶん勉強になった。反省した。文章は難しい。
ここ、へえ、「今、ここから先の時間だけが人生だと思って」なんて、しゃれたことを書いていたのかと自分に微笑んでやりたくなる。たった7年前のことなのだが、若い自分の書いた挨拶文のように滑稽だなとおかしくなるのだ。
「歳を取るとね、面白いことなんかなくなるんだよ」と寅さんに向かって話していた諏訪飇一郎教授のセリフをいつも思う。志村喬が映画『寅さん』のなかで演ずる寅さんの妹さくらの義父である大学教授のセリフだ。そのとおりだという感慨が私のなかにもある。だからこそ、映画のなかで諏訪教授は自らを励ますように古文書探求に我が身を駆り立てていた。調べてみると昭和53年、1978年の映画のようだ。私が広島で検事をしていたときにあたる。しかし、この回に限らず、私は寅さん映画を映画館で観たことはない。だからこの回も初めて観たのがいつだかはわからない。
私もまた、諏訪教授の古文書漁りに似たものを持っているつもりだ。
そんなことを考えていると、三井住友信託の高橋温さんが『私の履歴書』の29回目に「中年に達し、人に言える趣味の一つくらいは必要か、との理由で書を始めた。」と書いておられたのを思い出す(日本経済新聞令和5年10月30日)。40代半ばになってからだったそうだが、還暦を過ぎたころ石川九楊氏に出会い、指導を受けられるようになって「本気で取り組むこととなった。」ともある。高橋さんとは不動産証券化協会、ARESでのご縁でご厚誼をいただいている。先日もARESの懇親会でご尊顔を拝する機会があった。『私の履歴書』のなかに信託法の研究をされたと書かれていたことを申し上げたら、「なに、若いころのことだよ」と謙遜された。高橋さんのARESでのご挨拶は洒脱でありながらも意表を突き、なんとも面白く、興味深く、毎回いつも愉しみにしていたのだが、残念ながら最近は演壇に立たれることがない。
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