「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か
Japan In-depth / 2024年6月9日 19時0分
2020年ビッグサイトで行われた危機管理産業展で防衛省は「輸送防護車」を展示した。これはタレスオーストラリア社の製品、ブッシュマスター耐地雷装甲車である。海外の軍事見本市でタレスオーストラリア社は内部を公開しているが、防衛省はフロントガラスにも目張りをして内部を非公開としていた。因みに同社はブッシュマスターの更に新しいモデルも見本市では公開している。
(参照:東洋経済オンライン『日本人は防衛の隠蔽体質の深刻さをわかっていない』)
https://toyokeizai.net/articles/-/626775
製造元が明らかにしている情報を隠蔽しているのは滑稽でしかない。
2021年陸幕や当時の岸防衛大臣は会見で筆者の新たに導入された陸自の19式155ミリ自走榴弾砲に対する質問に対して「搭載弾薬数などは手の内を晒すことになる」と言えないと回答した。だが155ミリ砲弾や装薬のサイズはNATO規格であり、どこの国でも同じだ。19式は他国の同様のトラック搭載型自走砲と同じで、これを外部に弾薬のキャニスターを搭載しているので、搭載弾薬量の推定は簡単可能だ。だから中国を含めてどこの国でも明らかにしている。そして後日、X(ツイッター)でまさに19式の携行弾数を推定した中国の投稿があった。
画像:新たに導入された陸自の19式155ミリ自走榴弾砲の砲弾数を推定するXの投稿。
https://x.com/someplaosint/status/1709045749638447289
この投稿では1個のキャニスターに5発砲弾が収納されており、それが3個搭載されているので15発だと分析している。対して解放軍の同様の自走砲、PCL-181は30発を携行していると指摘している。
このように簡単にわかることをあたかも軍事機密のように秘密にするのは幼稚としか言いようがない。だから防衛省や自衛隊では本来なにが秘密かわからなくなる。端的な例が南スーダン派遣時の陸自の日報隠蔽問題だ。2016年9月30日、ジャーナリストの布施祐仁氏が、自衛隊南スーダン派遣部隊が作成した日報について、防衛省に情報開示請求を行った。だが防衛省は布施氏に対し、「日報はすでに廃棄しており文書不存在につき不開示」と回答した。
後日、日報は破棄されていないことが判明し、稲田朋美防衛大臣、黒江哲郎防衛事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長がいずれも引責辞任に追い込まれた。
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