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「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か

Japan In-depth / 2024年6月9日 19時0分

(参照:東洋経済オンライン『記者クラブの防衛担当記者に軍事報道はできない』)


https://toyokeizai.net/articles/-/676170?page=3


日報は本来次の派遣などに備える大切な基礎的資料であり、廃棄することはありえない。だが普段から隠蔽することに慣れているので、「相手(敵)に手の内をさらさない」とばかりに無いことにして逃げ切れると思ったのだろう。このような何でも隠蔽する体質は諸外国の政府や軍隊に防衛省、自衛隊にインテリジェンス(情報)能力が低く、杜撰であると宣伝しているに等しいが、その自覚が欠如している。これは自分たちが何が重要かわからない馬鹿者だと周辺の仮想敵国に宣伝しているに等しい。


 


先述のようにこれは政治や納税者の軽視でもある。基礎となる情報が提示されなければ国会や納税者が具体的な議論ができるはずもない。これは文民統制の根幹を侵蝕していると言って良い。


 


例えば陸自の次期装甲車として採用されたAMV XP(以後AMV)だが防衛装備庁や陸上幕僚監部(陸幕)は主力となるAPC(装甲歩兵輸送車)以外の派生型をどれだけ作り、何年で生産を完了し、総予算はどの程度であるかを国会にすら知らせてない。それで予算が通るのだから政治が「軍隊」を管理しているとはいえない状態だ。以前筆者は国防に強い国会議員の勉強会で10式戦車の調達数が何両か、いつ調達が終わるのか訪ねたが、誰も答えられなかった。国会は防衛省、自衛隊の予算を精査しておらず、審議するふりだけしているのが現実だ。


 









写真:AMV(防衛省提供)


AMVにしてもどのような派生型をそれぞれ何輌が調達され、全部の派生型で何両調達するのか。その生産期間=戦力化には何年かかるのか、総額はいくらになるのか、更に生産初期に必要なライン構築やジグなどを揃える初度費はいくらかかるのかを明らかにした上でなければ、その調達計画が適正かどうかわからない。普通の民主国家はそうしている。こんなデタラメを行っている民主国家は存在しない。


 


 陸幕によれば AMV は人員輸送型(APC)、指揮通信型、施設支援型、兵站支援型、患者輸送型等の派生型車両を予定。人員輸送型は96装輪装甲車、指揮通信型は82式指揮通信車の後継車両、としているが、実はNBC偵察車の後継も予定されている。


 だが陸幕は各派生型の調達数や調達期間は公表していない。だが筆者の取材によれば合計約800輌が調達されるようだ。また調達期間は20年に及ぶ、これらの情報は防衛秘でもなんでもないが、陸幕や装備庁は秘密扱いにしている。


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