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日中関係の再考 その10(最終回) 厳しい現実への覚悟を

Japan In-depth / 2024年8月29日 11時0分

日中関係の再考 その10(最終回) 厳しい現実への覚悟を




古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)





「古森義久の内外透視」





 【まとめ】





・中国は国是として日本を敵視し、反日教育を行う。





・反日教育は将来の日中関係に影響を及ぼす可能性が高い。





・中国への対処は日本の国運を賭けての対立や対決を恐れない覚悟が欠かせない。





 





中国は国是として日本を敵視する。ここまで断言するには、当然ながら強いためらいもあった。だが中国の実態を知れば知るほど、その認識は深くなった。中国共産党政権の日本への態度はその政権が自国の若い世代に教える国定教科書の内容からも歴然としてくる。





中国は日本の教科書の内容に干渉してくる。とくに中国とのかかわりについて、日本が不当な侵略をしたことを常に認めるように、監視し、介入してくる。その前提として中国側は日本の教科書の内容を点検しているわけだ。だがその逆はない。日本側が中国の教科書、とくに歴史教科書で日本についてなにを教えているか、という点を研究や調査したという話は聞いたことがない。





だが自画自賛だが、私は2年間の北京駐在の後半に、その作業を試みた。中国側の国定教科書の内容を調べたのである。その結果、衝撃的な結果が浮かびあがった。結論を先に述べれば、中国政府は自国の少年少女に対して日本の悪いことばかりを教え、日本を嫌い、憎むように教育しているのだった。つまりは中国共産党の抗日、反日の党是に合致する教育なのである。この点こそ日本側にとっての中国への政策には強い覚悟が欠かせない理由なのである。基本的な不信や敵視がまず予見しうる将来、消えないという展望への覚悟である。





中国の歴史教育では日本の占める部分は驚くほど大きい。しかもそのほぼすべては日本がいかに中国を侵略し、中国がいかに日本と戦ったか、という内容なのだ。つまり抗日の歴史である。この抗日教育は量も質も現代の日本人が想像する域をはるかに超えている。日本が中国大陸でどれほど非道で、どれほど残虐だったかを繰り返し繰り返し教えることが主眼なのだ。しかも学校教育のきわめて早い段階から抗日歴史教育は始まるのである。





中国の教育制度は日本に似て、初等教育の小学校は6年制で6歳から11歳まで、中学校(初級中学)は3年制で12歳から14歳まで、となっている。小中学校の計9年が義務教育である点も日本と同じである。日本の「侵略」や「残虐」は小学校に入ってすぐに教えられる。しかもなまなましい視覚イメージとともに、である。





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