トランプ新政権の日本への意味とは その2「不法移民」という用語の誤り
Japan In-depth / 2025年1月6日 11時0分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・バイデン政権は、トランプ大統領時代のアメリカの国境警備政策を覆した。
・日本メディアのいう「不法移民」、厳密には「不法入国者」。
・バイデン政権、不法入国者の総数は実は2000万人と発表。
――トランプ政権の2017年の誕生はたぶんにオバマ政権の左傾化への反発だったというお話しでしたが、そのトランプ政権も2020年の選挙では民主党のバイデン候補に敗れましたね。アメリカ国民のトランプの保守回帰には反対だったということでしょうか。
古森義久 いや、2020年の大統領選挙はそれこそ大接戦、ごく僅差でした。そのうえにトランプ大統領に対しては民主党側から「ロシア疑惑」という根拠のない糾弾が浴びせられ、大手メディアが一貫して反トランプ・キャンペーンを打ち上げるなど、不透明な動きが多々ありました。そしてその選挙の結果、登場したバイデン政権に多くの問題があったのです。
バイデン政権はオバマ流のやり方を踏襲する傾向が強く、いわゆる左翼的な政策が復活しました。最も象徴的だったのはトランプ大統領時代のアメリカの国境警備政策を覆す方針をとって、アメリカに入国したい外国人は事実上、だれでも入れてしまうことになりました。メキシコとテキサス州の国境を流れるリオグランデ川を白昼堂々、数百人の男女が浅瀬をじゃぶじゃぶと渡って、アメリカに不法入国してくるのです。その入国を止めないという警備なしの常態となったのです。
私の住んでいる首都ワシントンでも本当に中南米系のヒスパニックと言われる人ばかりが増えています。もちろん以前から合法的に入国してきた中南米からの移民や難民は多いのですが、バイデン政権になってからその数は目にみえて増えました。この人たちを日本のメディアなどでは「不法移民」というけれど、正規の移民はみんな合法ですから、厳密には「不法入国者」なのです。
その不法入国者がニューヨークとかシカゴとかロスアンゼルスといった大都会で犯罪を起こしている。民主党びいきで、バイデン政権を露骨に支持しているニューヨーク・タイムズのような大手メディアはその種の事件をほとんど報道しませんでした。しかしニューヨーク・ポストという共和党系の新聞などは、ニューヨークのマンハッタンではベネズエラからきた少年強盗団などが頻繁に犯罪を重ねている現状を詳しく報じていました。強盗団は連日のように、地下鉄で乗客から財布やスマホを盗んでいるといった事件が起きていたのです。
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