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2024年の沖縄政治を振り返る(下)4区の「オール沖縄」分裂とミニ政党などの存在感

Japan In-depth / 2025年1月19日 23時0分

2024年の沖縄政治を振り返る(下)4区の「オール沖縄」分裂とミニ政党などの存在感




目黒博(ジャーナリスト)





「目黒博のいちゃり場」





【まとめ】





・沖縄4区で「オール沖縄」が分裂し、擁立した「統一候補」が落選。





・「統一候補」の金城徹候補をめぐる問題は多く、陣営内で不満がくすぶった。





・ミニ政党候補者と無所属の下地幹郎候補は一定の存在を見せ、既存政党を苦しめた。





 





2024年10月27日投開票の総選挙において、「オール沖縄」を揺るがしたのは、4区(本島南部と宮古島、石垣島、与那国島など)であった。陣営かられいわ新選組(以下、れいわ)が離脱し、「オール沖縄」擁立の候補は大敗する。また、沖縄全体で、れいわと参政党や、無所属の下地幹郎氏が存在感を示し、既存の政治勢力の基盤を侵食した。





本稿では、4区の選挙結果を分析し、併せて、れいわと参政党、下地氏の「善戦」の背景を考える。





<4区では「オール沖縄」勢力が分裂、自民党が圧勝>





4区では、自民党(以下、自民)公認の西銘恒三郎候補が、立憲民主党(以下、立民)公認で「オール沖縄」の金城徹候補を、約14,000票という大差をつけて退けた。だが、現実には、西銘候補に票差ほどの余裕があったわけではない。









▲写真 西銘恒三郎候補(同議員Facebookより)





れいわの山川仁候補が20,000票余り、金城氏は47,000票余りを獲得。山川候補と金城候補の合計得票数は67,500票余りにのぼり、西銘氏の61,000票余りを上回る。「山川氏が出馬しなければ、金城氏が当選できたのに」との恨み節が「オール沖縄」陣営から漏れた。









▲写真 金城徹候補(金城トオル事務所提供)





皮肉なことに、れいわの九州比例区の票が大きく伸びたことで、選挙区の得票数で金城氏の半分以下であった山川氏が比例復活し、金城候補は比例復活もできなかった。









▲写真 沖縄4区で比例復活した山川仁候補者(山川仁事務所提供)





金城氏はなぜ落選したのか。主な要因を見てみよう。





<「オール沖縄」分裂の背景には立民の迷走と金城氏の経歴がからむ>





言うまでもなく、陣営の分裂が金城徹候補落選の最大の要因である。その背景として、第一に、立民が、候補者選考でなかなかまとまらなかったことが挙げられる。党本部が金城氏を推したが、党県連は難色を示す。金城氏は元那覇市議であり、4区との縁が薄かったからだ(那覇市は沖縄1区)。





立民内の混乱は、「オール沖縄」全体に波及し、人選は難航。しかも、同氏は収支報告書偽造が疑われ、この問題を引きずったまま、陣営は金城氏の一本化で決着して選挙になだれ込んだ。この過程で、れいわは「オール沖縄」を「選挙互助会に落ちぶれた」と反発し、山川氏を立てた。





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