【海外発!Breaking News】ホームレス男性が通行人からヒ素を盛られ意識不明に(英)
TechinsightJapan / 2019年4月10日 20時20分
イギリスでは昨今、住居がありながら路上で物乞いをする「なりすましホームレス」が急増しており、「物乞いにはお金をあげないで」と注意喚起がなされている。その一方で、全てを失って路上で暮らす“本物のホームレス”は、より苦しい立場に追い込まれているようだ。
今月8日、リヴァプールの路上で生活するホームレスの男性が市内のロイヤル・リヴァプール病院のベッドで目を覚ました。男性は医師から「体内からヒ素が見つかった」と告げられて驚愕した。
この男性は前日にリヴァプール・シティセンターで通行人からもらったチップスを食べたことは覚えていたものの、その後の記憶は全くなかった。警察は男性が最後に食べたというチップスを押収し、ヒ素が盛られていた可能性が高いとして調査を開始した。
リヴァプール市内でホームレスに衣服や食料を提供する活動をしているホームレス支援員のミッシェル・ランガンさんは、被害にあったホームレス男性のもとを度々訪ねており、今回の件に関してはショックを隠し切れない様子だ。ランガンさんは、英メディア『Metro』や『Mirror』のインタビューに次のように語った。
「路上で暮らすホームレスをターゲットにした犯罪は今に始まったことではありません。しかしそのやり方は年々巧妙で悪意に満ちたものになっており、心が痛みます。昨年の11月には、火のついた手持ち花火をズボンに押し込まれたホームレスの男性が酷い火傷を負っています。今回は男性に命の危険もあったわけで、何事もなかったことは不幸中の幸いと言えるでしょう。」
ホームレスの慈善団体「クライシス」は昨年、ホームレスの3人に1人が殴る、蹴る、尿をかけられる、物を投げつけられるといった攻撃の対象になっており、20人に1人が性犯罪に巻き込まれていたことを公表している。またリヴァプール市長ジョー・アンダーソン氏は昨年、英内務大臣サジッド・ジェイビッド氏に「ホームレスへの攻撃は増加する一方である。弱い立場にあるホームレスに危害を加えることは“ヘイトクライム(憎悪犯罪)”に加えられるべきだ。ホームレスはヘイトクライム法で保護されるべきであり、早急の法改正が必要だ」との手紙をしたためている。
一度ホームレスになった人が再び元の生活を取り戻すには、多くの人や地域の支援が欠かせないことは言うまでもない。今年2月には、南米コロンビアでホームレスになったシングルマザーが息子を道連れに無理心中するという悲劇が起こっている。
画像は『Mirror 2019年4月9日付「Homeless man ‘poisoned with arsenic sprinkled on chips from passer-by’」(Image: Liverpool Echo)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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