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カザフスタン内閣総辞職、ベクテノフ氏が新首相に就任(カザフスタン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年2月7日 14時40分

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は2月5日、アリハン・スマイロフ内閣の総辞職を受理する大統領令に署名したと、大統領府がプレスリリースで発表した(大統領府ウェブサイト2月5日)。同令は即日発効する。総辞職の理由については明らかにされていない。

同日、大統領令でロマン・スクリャル第1副首相が暫定首相に任命され、新内閣が承認されるまで、現閣僚が職務を継続するとした。一方、与党アマナトは2月6日、オルジャス・ベクテノフ氏を次期首相に指名した。同日、トカエフ大統領が参加した国会下院本会議で新首相の承認がなされ、大統領令により同氏が首相に任命された 。同時に、新閣僚も任命された(大統領府ウェブサイト2月6日)。ベクテノフ新首相の前職は20234月から大統領府長官、その前は汚職防止庁長官で、長年にわたり汚職撲滅にたずさわってきた。

アリハン・スマイロフ前首相は2022年1月の暴動(2022年1月5日記事参照)後、首相に就任、トカエフ大統領が提唱する社会経済の抜本的制度改革(2022年1月12日記事参照)を実務で支えてきた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクにより国内経済が悪化、インフレが加速し国民の生活を圧迫した。さらに、山林火災や発電所の事故(2023年4月14日記事参照)、炭鉱事故など人為的災害が重なり、政府に対する国民の不信が高まりをみせ、続投に反対する声もあがったが、最大与党アマナトの指名を受け2023年3月に再任された(「テングリニュース」2023年3月30日)。

今回の総辞職について、政治学者のダニヤル・アシンバエフ氏は、大統領が内閣を総辞職させることで、困難な社会状況と効果のない政策により国民に蓄積された不満の解消を図ったと総括した。ユーラシア統合研究所のウラズガリ・セルテエフ所長は、カザフスタンの組織、金融・経済界に新しい経済モデルを構築するビジョンを持った理論家や戦略家、これを実践する経験豊富な人材が不在であることを指摘。人事の思い切った登用がなければ、新内閣も同じ道を歩むことになると警鐘を鳴らした(「ザコンKZ」2月5日)。

カザフスタン憲法第70条「カザフスタン共和国内閣について」によると、内閣は自らに与えられた責務の遂行が困難と判断した、あるいは国会不信任決議が採択された場合、大統領に辞任を申し出ることができると規定されている。同時に、大統領自身が独断で解散させることも規定されているため、今回の内閣総辞職が事実上の解任とみる向きもある。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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