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2月の個人消費支出、名目所得・消費は前月比増加もインフレの影響が目立つ(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月4日 0時10分

添付資料PDFファイル(305 KB)

米国商務省は3月29日、2月の個人消費支出(PCE)を公表した。所得関連では、個人所得が名目ベースで前月比0.3%増となり、市場予測(0.4%増)を下回った。内訳をみると、雇用者報酬(0.7%増、寄与度0.4ポイント)、所得移転(0.6%増、0.1ポイント)がプラス寄与している一方、利息・配当(2.1%減、マイナス0.3ポイント)はマイナス寄与となっている(添付資料図1参照)。

個人所得から税を除いた可処分所得は名目ベースで前月比0.2%増、実質ベースで0.1%減、1人当たりでみた場合も同様に名目ベースで0.2%増、実質ベースでは0.1%減となっている。インフレの影響により、年初から実質ベースではやや伸び悩んでいる。名目可処分所得の使途をみると、名目消費支出が前月比0.8%増(寄与度0.7ポイント)、利払い費が0.8%増(0.02ポイント)、貯蓄が11.8%減(マイナス0.48ポイント)となっている。貯蓄率は3.6%と低水準であり、賃金は増加しているものの、インフレや金利上昇により、貯蓄に回す余力までは乏しい状況が続いている(添付資料表1参照)。

名目消費支出の数値は市場予測(前月比0.5%増)を上回った。その内訳をみると、押し上げに寄与した分野は、自動車(3.9%増、寄与度0.15ポイント)、金融サービス(1.5%増、0.11ポイント)、住居サービス(0.5%増、0.09ポイント)、輸送サービス(2.7%増、0.09ポイント)、ヘルスケアサービス(0.5%増、0.08ポイント)などで、サービスを中心に多くの分野でプラスとなった(添付資料図2参照)。押し下げに寄与したのは、衣料品(0.5%減、マイナス0.01ポイント)、食品(0.1%減、マイナス0.00ポイント)の2項目のみだった。一方、実質ベースでの消費支出は前月比0.4%増にとどまった。サービス部門が比較的強く推移したものの、財部門は前月の反動増となった自動車(寄与度0.14ポイント)以外はマイナスとなるなど、必ずしも強いとは言い難く、裁量的支出を抑制しつつあるという小売業界からの報告(2024年3月18日記事参照)と整合的なものとなっている(添付資料表2参照)。

物価関連では、PCEデフレーターは前年同月比2.5%(前月:2.4%)、食料・エネルギーを除くコア指数は2.8%(2.9%)となり、いずれも市場予測と一致した(添付資料図3参照)。内訳をみると、引き続きサービス分野(前年同月比3.8%増、寄与度2.5ポイント)が高止まりしており、住居費(5.2%増、0.9ポイント)のほか、医療サービス(3.1%増、0.5ポイント)が前月と変わらない伸びを示している。ただし、賃金の状況が反映されやすいフードサービスやレクリエーションサービスなどのその他サービス(3.6%増、1.1ポイント)については前月(3.8%増、1.2ポイント)と比べるとわずかながら低下した(添付資料表3参照)。今回の結果については、米国連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が「ほぼ、われわれの予想どおり」と述べるなど(ブルームバーグ3月30日)、おおむね当局の想定するラインに収まっており、年内3回の利下げという方針に変更を及ぼすものではないと評価しているもようだ。

(加藤翔一)

(米国)

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