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ジェトロが「専利法実施細則」改正セミナー、特許権存続期間の補償制度解説(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月2日 0時55分

ジェトロは3月22日、在中国日系企業向けに、2024年1月20日に施行された「『専利(注1)法実施細則』改正の要点説明」セミナーを開催した。上海市知識産権局政策法規処の宋嘉副処長が専利法改正の意義や、改正の全体的な考え方、主な改正内容について講演した。

宋副処長は冒頭、「国は知的財産権が科学イノベーションを促進する重要な役割を果たすと認識している。2023年末の時点で、中国国内の発明特許保有数は401万5,000件に達し、うち企業保有の件数は290万9,000件で、有効な発明特許を保有する企業数は42万7,000社に達している」と述べた。その上で「専利法は改正後、細則の条項が従来の123条から149条に増え、新たに『特許権存続期間の補償』と『意匠の国際出願に関する特別規制』が追加された」と説明した。

専利法第42条第2項の規定に基づく特許権存続期間補償制度の追加背景としては、発明特許出願の実質審査に必要な時間が長く、存続期間が規定の20年より短縮され、権利者にとって不利益となるため、国際慣例の専利審査の補償制度を導入した。また、新薬の場合は、薬事申請にかかる所用期間も長く、権利の所有期間はさらに短縮されることになり、企業のイノベーションを阻害する点にも言及した。

特許権存続期間の補償の付与を請求する場合には、専利権者は専利権付与の公告の日から起算して3カ月以内に国務院の専利行政部門に請求することができる。補償期間は、発明特許の権利付与過程における不合理な遅延の実際の遅延日数(注2)に従って計算する。

なお、新薬の補償期間に関しては次の2つの規定がある。

1. 補償期間は最長5年まで。
2. 新薬が販売されてから特許の存続期間は14年を上限とする。補償期間は出願日から中国で販売許可を取得するまでの間から5年を引き、専利法第42条第3項の規定に適合することを基礎として確定する。

また、ハーグ協定への加入に伴い、意匠権存続期間は従来の10年から15年間となった。

その他、職務発明に対するインセンティブ措置や、報奨金額の下限(注3)に関する規定が追加された。報奨金額の下限は、発明者と企業の間で約定がない場合に優先されるものとなる。

写真 ハイブリッド開催のセミナー(ジェトロ撮影)

ハイブリッド開催のセミナー(ジェトロ撮影)

写真 ハイブリッド開催のセミナーの様子(ジェトロ撮影)

ハイブリッド開催のセミナーの様子(ジェトロ撮影)

(注1)「専利」とは、日本の特許(発明)、実用新案、意匠に当たる。

(注2)発明特許の権利付与過程における不合理な遅延の実際の遅延日数とは、発明専利の出願日から起算して満4年、かつ実体審査の請求日から起算して満3年の日から専利権付与の公告の日までの間の日数から、合理的な遅延の日数と出願人に起因する不合理な遅延の日数を引いた日数をいう。

(注3)発明専利1件当たりの報奨は4,000元(約8万4,000円、1元=約21円)を下回ってはならず、実用新案専利、または意匠専利1件当たりの報奨は1,500元を下回ってはならない。

(陳貝蓓)

(中国)

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