2023年のGDP成長率は前年比マイナス0.4%(チェコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月8日 0時0分
チェコ統計局の3月1日の発表によると、2023年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比0.2%で、第3四半期のマイナス0.8%からプラスに転じた。2023年通年の成長率はマイナス0.4%で、2022年の2.4%からマイナスに転じた。
第4四半期のGDP成長率を需要項目別にみると、輸出(前期比2.2%増)、総固定資本形成(1.1%増)、および民間最終消費支出(0.5%増)が、それぞれ前期のマイナスからプラスに転じて成長に寄与した(添付資料表1参照)。輸出では特に自動車、金属加工製品、化学製品の輸出増が貢献した。
産業部門別にみると、建設(前期比2.5%減)、金融・保険(0.9%減)、その他サービス(2.0%減)を除く部門がプラス成長となった(添付資料表2参照)。製造業は、2023年第1四半期以降3期連続でマイナスだったが、第4四半期は3.0%増と産業部門別で最大の伸びを示した。
2023年通年のGDP成長率を需要項目別にみると、総資本形成が前年比7.0%減(寄与度マイナス2.3ポイント)、民間最終消費支出が3.1%減(寄与度マイナス1.4ポイント)で、マイナスの主因となった。一方、好調な輸出(前年比3.1%増)により、外需(輸出―輸入)の寄与度は2.7ポイントとなり、GDP成長率を下支えした。
産業部門別にみると、運輸、小売り、卸売り、宿泊・飲食サービスが前年比1.8%減で、金融・保険(2.0%減)、建設(1.2%減)とともに成長を押し下げた。一方、製造業は2.2%増と堅調な伸びを示した。
統計局が2023年第4四半期および2023年通年の実質GDP成長率速報値(3月1日発表の数値と同じ)を公表した1月30日、産業連盟は、経済回復の遅れを指摘するコメントを発表した。同連盟のボフスラフ・チージェック経済政策部長は「2023年初頭には、部分的な回復がある程度みられたが、楽観的な予想は年間を通じて書き換えられ、延期された。このことは、例えば工業部門の業績と受注に表れている。チェコ、あるいはドイツの工業受注および企業の景況感は、現在のところ大きな回復の兆しを示していない」と指摘した。2024年に関しては、経済は徐々に回復し、GDP成長率はわずかなプラスに転じると予想している。
同連盟の経済分析担当者、ミラン・クレンピーシュ氏は「長期的な経済成長を促進するためには抜本的な改革が必要」とコメントした。具体的な施策案としては、許可申請手続きの簡素化、外国人労働者雇用手続きの簡素化、労働・雇用法の柔軟化、および税制優遇などによる企業のイノベーション支援などを挙げている。
(中川圭子)
(チェコ)
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