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大型新港湾の建設・運営先に中国鉱山会社を選定(ペルー、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月29日 1時5分

ペルー民間投資促進庁(ProInversión)は3月22日、南部イカ州のサン・ファン・デ・マルコナ(San Juan de Marcona)新港湾ターミナルのデザインと資金調達、建設、運営管理に関する官民連携(PPP)方式による事業者として、中国の金兆鉱業(JINZHAO MINING)のグループ会社の金兆ペルーを選定すると発表した。ProInversiónによると、同ターミナルは首都リマのカジャオ港、リマ州北部のチャンカイ港(中国COSCO社が60%出資)に次ぐ規模(注)となる予定で、総投資額は4億500万ドルに上る。コンセッション契約期間は契約締結日から30年間とされている。

これまで、運輸通信省(MTC)傘下のペルー国家港湾局(APN)に対する金兆ペルーからの事業提案は、政府が求める条件に基づいて幾度か修正が行われ、最終的に2023年12月20日付で国益に資する事業としてMTCとProInversiónの認定を受けた。新港湾ターミナルは公共施設として位置づけられるが、その運営管理から生じる収益は主として金兆ペルーに属することになる。関連して金兆ペルーは、イカ州に隣接するアレキパ州のパンパ・デ・ポンゴ鉄鉱石鉱山事業を手掛けているが、同地域ではその他にも同じ中国資本のラス・バンバス銅鉱山などが操業している。サン・ファン・デ・マルコナ港湾の開発は、将来的に多くの南部鉱山ビジネスに寄与することになるだろう。

ProInversiónはこの事業による経済効果として、南部の鉱業分野で今後150億ドル規模の投資誘致を見込んでいる。併せて、PPP契約内で年間収益の3%を社会基金に充当した上で、関係地域の公共事業に活用するとしている。これにより、イカ州に加えてその周辺のアジャクチョ州、アプリマック州、クスコ州、アレキパ州での雇用の創出や、住民生活の改善が期待されている。

(注)ProInversiónによると、カジャオ港の取扱貨物量は年間3,570万トン、チャンカイ港は同3,400万トンとされている。サン・ファン・デ・マルコナ港の想定取扱貨物量は1,900万トンだが、最大で4,000万トンの許容があるという。

(設楽隆裕)

(ペルー、中国)

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