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戻れぬ故郷「悔しい」「忘れないで」 横浜で追悼の夕べ、原発避難者ら訴え

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年3月10日 22時5分

被災地に思いをはせるメッセージ入りキャンドルが並んだ「追悼の夕べ」=10日、横浜市中区の横浜市役所

 「東日本大震災かながわ追悼の夕べ」が10日、横浜市役所のアトリウム(同市中区)で行われた。約1300本のキャンドルが並ぶ中、参加者は犠牲者に祈りをささげ、東京電力福島第1原発事故の影響で今も避難生活を送る人たちの声に耳を傾けた。

 「風化させない」「世界が平和になりますように」-。キャンドルに書き込まれたメッセージがほのかな光で浮かぶ中、会場全体で黙とう。避難者らも登壇し、戻れなくなった自宅や地域の写真を交えながら「悔しい」「忘れないで」などと口々に訴えた。

 福島県南相馬市から横浜市内に避難した村田弘さん(81)は13年という節目に「避難先でそれぞれの生活が積み重なる一方、気持ちに区切りはつかないという二重の心境」と吐露。「原発事故からの復興は長い時間がかかり、途上も途上。折々でもいいから関心を持って」と語った。

 友人と参加した渡辺真紀子さん(44)=同市港北区=は「何となくもう復興したのだと思ってしまっていた。避難者の話を聞き、人ごとではないと思った」と話した。催しは避難者や支援者らでつくる実行委員会の主催。

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