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【山口組分裂】騒動の余波は関東にも影響?住吉会二次団体最高幹部に聞く

TABLO / 2016年2月2日 16時0分

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 山口組分裂の動向が未だに世間を騒がしている。一部報道では、六代目山口組の構成員が1万3000人から半減以下の約6000人とされた。一方、神戸山口組の構成員は現状で約3000人と言われている。

 では残りの4000人はどうなったのか。彼らは今回の分裂の中で組織を抜けたものと考えるのが妥当であろう。当初、構成員の数字では7対3の分裂劇であったが、両組織と付き合いのある組織関係者によると、実際はもっと拮抗しており、実感としては6対4くらいの数字であろうと言う見立てだった。

 直系組長である直参の数は六代目山口組の方が多いが、その内情は三次団体、四次団体の移籍が相次いでいる。その中でも当代、若頭を出している三代目弘道会の人間の移籍が話題となっている。この組織は現在三代目体制であるが、その先代が神戸山口組、四代目山健組 五代目健竜会の相談役として移籍したのだ。

 この組織は現在五代目健竜会最高顧問である三島組三島敬一組長が六代目山口組を絶縁された後、利権が多い大阪の西成地区で地盤を築いていた組織だ。先日も大阪で乱闘事件を起こした組織でもあるために、この移籍劇は大きい。

 筆者は、住吉会二次団体最高幹部で三次団体のある組織の組長に電話取材した。今回の分裂の流れを受けて関東に影響はあるのか。具体的にはどのように受け止めているのか。住吉会は取材厳禁のために、この組長の詳細は明らかには出来ないが、その点はご容赦願いたい。

■今は厳しいのが事実...だが警察は山口組で必死

――今回の分裂で関東はどの様な影響を受けているのか?
「神戸山口組と友好関係のある稲川会の組長が破門をされたり、関東も色々な動きは水面下では起きている。だけどうちはそこまでの影響は受けていない。実際に六代目山口組とも神戸山口組とも親戚関係でもないからね」

――住吉会は盤石なのか?
「知っている通り、住吉会は元々連合体だからね。今は総裁、会長以下執行部もまとまって一本だけど、あそこはどこの系列とか、あそこはどこの流れだから、とかそんな感じで他の組織は違って縦ではなく、斜めみたいな部分もあるからさ。だけどまとまりは強いよ」

――繁華街には縄張りがあるが地回りを含めて他の組織の進出はないのか?
「今の時代、抗争したら警察の思うつぼだしな。それに今回の分裂で他に進出しよう、と思っている組織はないだろう。実際に今まで進出していた組織はそれを維持する為に必死だろう。反対にうちに守りを頼んで来る新しい店も多少増えては来ているからな。地回りは今はしていないけど、幹部に付いているボディガードが増えているから、それを一般の方が見たら地回りに見えるかもな」

――暴排条例以後、守り代とかはかなり厳しくなった、と聞いているが実際はそこまでの縛りは無いのか?
「厳しいのは事実だよ、だけど警察も今はうちよりも山口組の事で必死だからね」

――先日、三歳児が虐待で死んだ大田区の事件も住吉会の人間と聞いているが。
「あれな......。聞いた話だけど千葉の組織の枝の葉っぱね。警察もヤクザと報道すれば余計に悪質さが目立つからな。あれは俺から見ても酷いよね、あれは懲役行っても虐められるわ。もう絶縁状が出ていると違うかな。そんなクズだから正式な状が回るかは分からないけど」

――今後は全国、特に関東は勢力図に変化はあるのか?
「それは分からないな。六代目山口組側が意地を見せるのか、神戸山口組も意地を見せるのか。だけどうちは動かない。よそ様の事に口出しは出来ないし、する気もない。それこそ、筋違いの話だから。だけど関東はキチンと縄張りがあって各組織それを守っている。実際に進出している他組織はキチンと話を通した上で入っているから」

――では最後に山口組の分裂について思うところがあれば。
「うちの若い者が結構ネットを見ているけど、何が面白いんだか、なぜ一般人がヤクザの抗争に口を挟むのかが未だに分からない。10の情報があったら、明らかに内部の人間しか分からない情報も確かにあるけど、そんなのは1個あればいい方だよ。そのほかはデタラメで、推測や妄想で書かれたような記事ばかりだ」

ーーメディア側にも問題がある?
「ヤクザに筋を説いたり、ヤクザとは何かを説明したりする記者もいるよね。君もそれに入るかどうかは分からないけど自分で分かるよね。ヤクザは口とか理屈では説明出来ないものなのは。ヤクザ修行も何もしていない、ただ遊びに来ただけ、取材に来ただけの人間がヤクザの表だけを見て何が分かるのか。そりゃ、ヤクザはやって来た人間に酷い部分は見せないし、話せないよ。お客様だろ。例えば覚せい剤を売買しているからと言ってその売買の現場を見せる? そんな人間は誰もいないよ。これだけはキチンと書いて欲しい。俺が電話で取材を受けたのはそれが言いたかったからだよ。頼むな」

 この様な話を聞かされ、電話は一方的に切られた。彼はヤクザとしての地味な種類に属する人間であり、普段、粗暴性は全く見せずに地道に渡世を歩み、出世した人間である。最後の言葉は、筆者には他人事とは思えず、気を引き締めざるを得ない。

Writing by 西郷正興

Photo by K-SAKI(コラージュ)

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