「A70系スープラ」はオープンエアも楽しめた!? セリカから独立した3代目スープラとは
くるまのニュース / 2020年6月15日 10時10分
1986年に登場したトヨタ「スープラ」は、それまでの「セリカXX」から名称を海外名のスープラに統一し、A70系に進化しました。今回は3代目となるスープラを紹介します。
■セリカから独立したA70系スープラの魅力に迫る!
北米市場でリードしていた日産「フェアレディZ」の牙城を崩すべく、トヨタ「セリカ」をロングノーズ化して6気筒エンジンを搭載した「セリカXX(海外名:スープラ)」でしたが、1985年8月にセリカがフルモデルチェンジを果たしたタイミングで前輪駆動化されたことで、セリカとは全く異なる車種として再出発をすることとなりました。
それが1986年2月に登場したA70系の「スープラ」です。
このモデルから、日本国内でも海外仕様で使われていたスープラの名前となり、プラットフォームはセリカ系ではなく「ソアラ」系のものを使用しました。
実質的な先代モデルである2代目セリカXXと同じく、ラグジュアリーなソアラに対して、スポーティなスープラという位置づけとなっています。
搭載されるエンジンは引き続き全て直列6気筒エンジンで、もっとも廉価なグレードには2リッターSOHCで105馬力の「1G-EU型」エンジンが搭載される一方で、トップグレードには3リッターDOHCインタークーラーターボで230馬力を発生する「7M-GTEU型」エンジンが搭載され、同一車種ながら最高出力が倍以上異なるというラインナップとなっていました。
ただし、デビュー当初は3リッターターボモデルにはMT仕様がなく、MTにこだわると2リッターDOHCツインターボの「1G-GTEU型」エンジン搭載グレードがトップグレードとなります。
外観のデザインは、2代目セリカXXの面影を色濃く残し、引き続きリトラクタブルヘッドライトを採用。
輸出仕様のスープラにはブリスターフェンダーを採用したワイドボディが与えられていましたが、日本仕様はすべて5ナンバーサイズのナローボディとなっていました。
1986年6月にはエアロトップ仕様が追加。これはルーフ部分を取り外すことができるものでしたが、ルーフ部分はソフトトップではなくメタルトップ(鉄板)であり、10kg以上とかなりの重量がありました。
なお、ルーフを取り外すには、車載の専用工具を使用して4本のボルトを外す必要があり、取り外したルーフはトランク部分にすっぽり収まるようになっていましたが、ルーフを収納するとほぼ荷物が積めなくなるという弱点がありました。
■待望のワイドボディ追加など、さまざまなラインナップを展開
1987年1月には、3リッターターボモデルにも5速MTが追加されたほか、待望の輸出仕様と同じワイドボディを持った「3.0GTリミテッド」が追加されます。
1988年8月のマイナーチェンジ時には内外装の変更とともに、3リッターエンジン搭載グレードはすべてワイドボディとなっています。
トヨタ「スープラ(A70系)」
また、このマイナーチェンジのタイミングで、全日本ツーリングカー選手権のホモロゲーションモデルとして、3リッターの7M-GTEU型エンジンに専用のタービンや専用インタークーラー、専用のサスペンションなどを備えた「ターボA」を500台限定でリリース。
外観上のもっとも大きな識別点は、フロントバンパー中央に備わる3連ダクトで、通称「ターボAダクト」と呼ばれていました。
実戦では初戦で優勝を飾るなど華々しいデビューを果たしますが、その後のレギュレーション変更のあおりを受けて苦戦続きとなり、モデル途中で参戦を終了しています。
1990年8月におこなわれたマイナーチェンジでは、トップグレードの7M-GTEU型エンジンに代わって2.5リッターツインターボの「1JZ-GTE型」エンジンが登場しました。
いまだに世界中からチューニングベースのエンジンとして愛される1JZ-GTE型エンジンですが、初めて搭載されたのがこのスープラと、同じタイミングでマイナーチェンジを受けた「マークII」3兄弟だったのです。
この1JZ-GTE型エンジンを搭載したモデルは日本国内専売モデルであり、輸出仕様には引き続き3リッターの7M-GTEU型エンジンが搭載されていました。
その後、A70系スープラは1993年5月に新型へとバトンタッチを果たして販売を終了。新型はよりスポーツ性を高めたモデルへ進化し、人気を博すことになります。
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