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1.6リッター「R」戦国時代を戦った車たち!? 高性能スポーツコンパクト3選

くるまのニュース / 2020年7月1日 16時10分

現在、高性能な1.6リッターエンジンを搭載したコンパクトカーは激減してしまいましたが、1990年代には各メーカーから販売されるほど盛況でした。そこで、モータースポーツの世界でライバル関係にあった、1.6リッターエンジンの高性能コンパクトカーを3車種ピックアップして紹介します。

■かつて隆盛を誇った1.6スポーツコンパクトを振り返る

 現在、国内の自動車市場では、1.6リッターエンジンを搭載したモデルはごくわずかですが、1990年代には各メーカーがラインナップするほど盛況なクラスでした。

 1.6リッターエンジンはモータースポーツの世界でクラス分けの区分となる排気量だったため、必然的に高性能なモデルも数多く存在。

 そこで、モータースポーツの世界でライバル関係にあった、1.6リッターエンジンの高性能コンパクトカーを3車種ピックアップして紹介します。

●三菱「ミラージュ サイボーグR」

アマチュアや学生の競技用として人気があった「ミラージュ サイボーグR」アマチュアや学生の競技用として人気があった「ミラージュ サイボーグR」

 2020年4月にビッグマイナーチェンジがおこなわれて話題となった現行型の三菱「ミラージュ」は、初代から数えて6代目にあたります。おもに新興国向けのエントリーカーとして開発されたため、スポーティなグレードはありません。

 しかし、歴代のミラージュのなかには、高性能エンジンを搭載したモデルが存在しました。

 1992年、4代目ミラージュにホンダのVTECに対抗すべく、「4G92型」1.6リッター直列4気筒の「MIVEC」エンジンを搭載した「ミラージュ サイボーグR」が追加ラインナップ。

 MIVECは三菱が独自で開発した可変バルブタイミングリフト機構で、ミラージュ サイボーグRに搭載されたエンジンは最高出力175馬力を誇りました。

 サスペンションはフロントがストラット、リアにマルチリンクを採用し、優れた路面追従性を発揮。ブレーキは4輪ディスクブレーキがおごられるなど、高性能グレードにふさわしいシャシ性能を実現しています。

 モータースポーツの世界では「シビックSiR」の対抗馬として善戦し、とくにアマチュアや学生が数多く参戦していたジムカーナでは、好成績を残しました。

●ホンダ「シビック タイプR」

1.6リッタースポーツコンパクトの頂点に君臨した「シビックタイプR」1.6リッタースポーツコンパクトの頂点に君臨した「シビックタイプR」

 1995年に6代目となるホンダ「シビック」が登場し、高性能グレードであるSiRに搭載されたエンジンは、1.6リッター直列4気筒DOHC VTECで、最高出力170馬力を発揮しました。

 そして1997年には、さらに高性能なモデルの「シビックタイプR」が登場しました。

 第3のタイプRであるシビックタイプRに搭載されたエンジンは、SiRと同型式ですが、圧縮比アップや摩擦抵抗の低減など、さらにチューニングが施された結果、最高出力185馬力を誇り、ライバルに対してアドバンテージを築きます。

 一般的に自然吸気の高性能エンジンは、低回転域のトルクが細くなることが避けられませんが、VTECの特徴として、これほどの高出力ながら低回転域のトルクも確保されていました。

 また、サーキット走行を想定して強化スプリングを採用したサスペンションや、制動力と耐フェード性向上のためにサイズアップされたブレーキディスク、ボディ剛性の向上、スポーツ走行を想定したABSセッティングなど、シャシまわりもチューニングされています。

 外装ではタイプR専用の前後アンダースポイラーとリアスポイラー、ホイールが取り付けられ、内装ではレカロ製バケットシート、チタン製シフトノブ、ヒール&トウの操作性向上のためのペダルレイアウトを採用するなど、軽量化と走りのポテンシャルがアップするアイテムを装備しています。

 また、シビックタイプRには、標準車のほかにモータースポーツ用の「レースベース車」が設定され、パワーステアリングがオプション扱いになり、エアコン、パワーウインドウ、エアバッグ、ABSなどがオプションでも装備されないなど、標準車よりも10kgほど軽量化されました。

 シビックタイプRは「スーパー耐久」やジムカーナの参戦車両として、前述のミラージュや後述の「パルサー VZ-R」と戦い、速さを誇示してブランドイメージを高めることに成功しています。

■究極の1.6リッターエンジンを搭載した日産車とは!?

●日産「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」

クラス最高の出力を誇った「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」クラス最高の出力を誇った「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」

 1978年に日産「チェリーF-II」の後継車として登場した初代「パルサー」は、ベーシックなFFコンパクトカーとして開発されていました。

 そして、日産のモータースポーツ戦略によって、1990年に登場した4代目では世界ラリー選手権へ出場するためのベース車として、高性能モデルの「パルサーGTI-R」が登場。

 次世代の5代目では高性能なターボエンジンは廃止されましたが、1997年に限定車として発売された「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」は、車名にあるとおり「N1カテゴリー」のレースで勝つことを目的に開発された、高性能モデルです。

 N1レースではレギュレーションで改造範囲が最小限に抑えられており、ベース車のポテンシャルがそのままレースの成績を左右することになるため、打倒シビックを目標に日産とオーテックジャパンがタッグを組み、パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1を開発。

 搭載されたエンジンは1.6リッター直列4気筒DOHCの「SR16VE型」で、最高出力はスタンダードモデルの「VZ-R」が175馬力だったのに対し、専用のシリンダーヘッドを搭載、ポートや燃焼室、吸排気マニホールドの研磨などのチューニングが施され、クラストップの200馬力を発揮しました。

 さらに、1998年には「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1 VersionII」を発売。最高出力は200馬力のままでしたが、サスペンションの強化と車体の軽量化、フジツボ技研製マフラーが装着されるなど、さらに戦闘力が向上。

 実際のスーパー耐久シリーズではシビックタイプRと互角以上の戦いを繰り広げましたが、わずかに及ばず、タイトル奪取はかないませんでした。

 なお、パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1が200台、同VersionIIが300台と、合計500台しか販売されず、これにはレース用車両も含まれていたため、いまではかなりの希少車となっています。

※ ※ ※

 現在、国内メーカーで1.6リッター自然吸気エンジンを搭載するモデルをラインナップしているのは、日産、スズキ、スバルの3社ですが、かつてのような高回転、高出力なエンジンはありません。

 1.6リッターエンジンは自動車税の税法上不利なうえ、各メーカーとも市販車ベースのレースへの参戦は以前に比べてかなり消極的ですので、今後、高性能な1.6リッター自然吸気エンジンの復活は期待できないでしょう。

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