セクシー「フェラーリの女豹」の愛車「308」は、GTSなら1000万円以下で手に入る!?

くるまのニュース / 2020年7月18日 8時30分

日本でスーパーカーブーム時代に流行した人気コミック『サーキットの狼』で、「フェラーリの女豹」の愛車だった「308」のオープンモデルである「308GTS」は、オークションの落札価格はいくらぐらいなのか、昨今の落札価格から推測しよう。

■フェラーリの女豹が乗っていた「308」は、いまいくら?

 英国「シルバーストーン・オークション」社が、2020年8月1日よりオンライン限定で開催するオークション「The Silverstone Classic Live Online Auction 2020」では、往年の人気コミック『サーキットの狼』の世界から飛び出してきたような、珠玉のクラシック・スーパーカーたちが数多く出品されている。

 今回はそのなかから、マンガの世界を超えてクラシック・フェラーリの世界でも定番となった一台。1985年型フェラーリ「308GTSクワトロヴァルヴォーレ」を選び、オークション直前の「レビュー」をお届けすることにしよう。

●“フェラーリの女豹”の愛車の最終進化形

 コミック『サーキットの狼』における大人気キャラクター、「フェラーリの女豹」こと田原ミカが「流石島レース」で走らせたのは、フェラーリ「308GTB」。リアのマフラーが一本出しであることからも判るように、FRP製ベルリネッタ・ボディの最初期モデルである。

 一方、このほど「The Silverstone Classic Live Online Auction 2020」に出品されるのは、308GTBのオープン版として登場した「308GTS」だ。さらに、最終期に気筒当たり4バルブのシリンダーヘッドが組み合わされた「308GTSクワトロヴァルヴォーレ」、通称「QV」である。

 フェラーリ史上に輝く傑作、308GTBは、現代に至るまでフェラーリの屋台骨を支えてきたV8ベルリネッタのオリジンというべきモデルである。

 発表当初から「フェラーリ」のブランド名を与えられてはいたものの、実質的には「ディーノ246GTシリーズ」の後継モデルとして、1975年パリ・サロンにて堂々のデビューを果たすことになった。

 フェラーリとしては、1960年代前半に活躍したレーシングスポーツやF1マシン以来の搭載となった、バンクあたりDOHCヘッドを持つV8ユニットは、1973年に先行デビューしていた「ディーノ308GT4」と共用で、総排気量は2926ccである。

 4基のウェバー社製キャブレターが装着された初期の本国仕様では、255psの最高出力を発揮。その結果250km/h級のマキシマムスピードを達成する、小型ながら侮れないスーパーカーとなっていた。

 一方、シャシについては、鋼管スペースフレームやフロント/リアともダブルウィッシュボーンのサスペンションも、ディーノ246GT系と事実上共通のもの。

 ホイールベースも同じ2340mmとされるなど、コンベンショナルなクルマ造りを常套としていた当時のフェラーリらしく、実績のあるものが採用された。

 そして、ディーノGT譲りの豊満なラインを生かしながらも、巧みなモダナイズを施した美しいベルリネッタ・ボディは、ピニンファリーナ時代のレオナルド・フィオラヴァンティがデザインワークを指揮したとされる。

 1977年秋には、ディーノ246GTSの後継車となるデタッチャブル(脱着式)トップ版の「308GTS」も追加デビュー。その直後から北米マーケットを中心に、シリーズの大半を占める人気バージョンとなってゆく。

 308GTB/GTSは、オイルショックと安全対策のためスポーツカーにとっては「冬の時代」といわれた1970年代半ばに誕生しつつも、この種のスーパースポーツとしては空前の大ヒット作となるのだ。

 さらに、北米や日本などを中心とする、当時から排気ガス規制の厳しかったマーケットを見越して、1981年にはキャブレターから独・ボッシュ社製のKジェトロニックに置き換えた「308GTBi/GTSi」へと進化。さらに、インジェクション化と圧縮比の低下によるパワーダウンを補うため、1983年には気筒あたり4バルブのヘッドを持つ「308GTB/GTSクワトロヴァルヴォーレ」へと最終進化を遂げることになった。

■1000万円以下で夢のフェラーリ生活!

 今回「The Silverstone Classic Live Online Auction 2020」では、シルバーストーン・オークション社の創業30周年を記念した特選車カテゴリー「SA-30」を設定。その一台として出品されている308GTSクワトロヴァルヴォーレは、後継車「328シリーズ」のデビュー直前となる1985年に生産されたという、308シリーズ全体でも最終期の一台である。

●かなりリーズナブルな価格で落札の可能性も……

推定落札価格は、6万5000~7万5000ポンド(邦貨換算で約880~1014万円)推定落札価格は、6万5000~7万5000ポンド(邦貨換算で約880~1014万円)

 今回の競売に際して、シルバーストーン・オークション社のWEBカタログに記された資料によると、走行距離は約4万1000マイル(約6万5000km)と、年式の割には少なめで、広報写真を見る限りでは内外装、機関部ともになかなかのグッドコンディション。

 また、深いエアダムスカートや16インチのタイヤ・ホイールなど、欧州マーケットではオプションだった魅力的な装備も新車時から装備されている。

 1987年以来、30年以上にわたって同じファミリー内で維持されてきたことも、このクルマの素性を明らかにしており、メンテナンス履歴などもしっかり残されているとのことである。

 シルバーストーン・オークションでは、この個体について6万5000~7万5000ポンド(邦貨換算で約880~1014万円)のエスティメート(推定落札価格)を設定しているのだが、これはあくまで筆者の私見ながら、極めて妥当な評価ではないかと考える。

 もとより308GTB/GTSの相場価格は、後継モデルの328GTB/GTSと比べると、国際市場でも日本国内でも、少々低めというのが長らく実情となってきた。

 最高潮の時代には328GTBが極上車なら3000万円前後まで高騰したのに対して、308はFRPボディのGTBでも2000万円くらいが上限だったと記憶している。

 現在では328の2000万円前後に対して、308は高くても1500万円くらいというのが、概ねの相場観と見てよいだろう。加えて308シリーズのなかでも、インジェクション時代となってからのモデルは、初期のキャブレター仕様よりも低めの価格で推移してきた。

 さらに現代のマーケットにおけるGTSは、GTBに比べてストイックな魅力が薄いと判断されている上に、タマ数が圧倒的に多いことも挙げねばなるまい。

 例えば、同じQVでもGTBの生産台数が748台とされるのに対して、GTSは3042台が生産されたといわれている、308シリーズきっての大ヒットモデル。それだけに、現在のクラシックカーマーケットで重視される「希少価値」という点については、いささか分が悪いと認めざるを得ないのだ。

 さらに、今回の出品車両は英国仕様の右ハンドル車であることも、評価を難しくしている。同じオークションに出品される「ミウラP400SV」のように、右ハンドル車がわずか11台のみというなら希少価値にもなり得るかもしれないが、308GTSクワトロヴァルヴォーレのRHD仕様は233台と、フェラーリとしては決して少なくもない台数が作られていることから、プラス要素にはなりにくいというのが実情だろう。

 それでも、フタを開けてみるまでは分からないのが、オークションの面白いところである。特にこの春以降、世界各国のオークションハウスによって開催されているオンライン限定オークションでは、目の前に見えないライバル入札者とネット上でビッド合戦が展開され、思わぬ価格高騰となってしまう事例もしばしば見られている。

 今回の「SA-30」カテゴリーでは、全出品車ともにリザーヴ(最低落札価格)が指定されていないので、入札の最高額でそのまま落札とされる取り決めなのだが、8月1-2日の2日間のみで展開される「The Silverstone Classic Live Online Auction 2020」オークション当日には、予想外の「大化け」があるか、それともこれまでのマーケット相場に近い価格となるのか、オンライン競売の結果を、楽しみに待つこととしよう。

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