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オン・オフどっちも自信アリ!? 新型ヤリスクロスは今年の大本命? トヨタのSUVらしさを見た

くるまのニュース / 2020年9月20日 14時10分

最近は、各社からさまざまなコンパクトSUVが登場していますが、なかでも注目度が高いのがトヨタのコンパクトSUV「ヤリスクロス」です。ヤリス兄弟として発売されたSUVですが、どのような特徴があるのでしょうか。

■ヤリス兄弟大本命!? 新型ヤリスクロスの中身はすごいのよ!

 イケイケ肉食系のコンパクトカーに生まれ変わった「ヤリス」が好調な販売を続けているなかでも、「ちょっとファミリーで使うには小さいかな?」と躊躇していた人や、コンパクトSUVが気になりつつも、デザインや燃費でビビビとくるモデルがなかった人に、早くも大本命登場と注目されている「ヤリスクロス」。

 TNGAのGA-Bプラットフォームや、1.5リッター直列3気筒のダイナミックフォースエンジンと、同エンジンにリダクション機構付のTHS・を組み合わせたハイブリッドは、ヤリスを踏襲しつつも外観で共通するのはサイドミラーとアンテナくらいとのこと。
 
 そんな独自路線をゆくヤリスクロスのデザインは、絶妙に都会的な雰囲気が大きな魅力です。

 ただ、今回試乗してみていちばん驚いたのは、外観が都会的だからといって、SUVとしてのタフさや利便性が弱いと思ったら大間違い。

 むしろ、ほかのコンパクトSUVよりもしっかり考えられていると実感したことでした。その理由としては大きく2点あり、まず1点目が日常からレジャー、アウトドアスポーツまでこなせる実力派のユーティリティです。

 ボディサイズの全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mmは、トヨタ車のなかでは5ナンバーとなるコンパクトSUVの「ライズ」より少し大きく、「C-HR」より全長と全幅が少し小さく、全高が40mm高くなるというサイズ感。

 ところが室内寸法を見るとライズの方が広く、ラゲッジ容量を見ると、ライズの369リットルやC-HRの318リットルより大容量の390リットルを確保しています。

 つまりヤリスクロスは後席スペースを広げる代わりに、SUVとして期待される積載性を重視したということではないでしょうか。

 そんなラゲッジのフロアには、トヨタのコンパクトSUV初となる6:4分割のアジャスタブルデッキボードがグレード別に備わっています。

 荷物に応じてフロアの高さが変えられるほか、後席が4:2:4分割で倒せるようになっていて(G、Zグレード)、フレキシブルなアレンジが可能。

 開口部のすぐ脇が大きくえぐれていることで、9.5インチのゴルフバッグが5人乗車時でも横積みできたり、後席を倒して自転車が積めるというのも驚きです。

 さらに、リアゲートが足の動作だけで開閉できる「ハンズフリーパワーバックドア」もトヨタのコンパクトSUVとして初採用。オプション価格で7万7000円はちょっと高めに感じますが、従来トヨタ車比で約2倍の開閉速度を実現しており、確かに素早く開くのは便利です。

 また、ハイブリッドにはオプションで、災害などの非常時に給電もできる、1500Wのアクセサリーコンセントが設定されているのもポイント。

 電気ポットやホットプレート、扇風機などの家電がどこでも使えるので、アウトドアレジャーが好きな人ならかなり活躍するのではないでしょうか。

 室内を見てみると、前席スペースは頭上の余裕もあり、ゆったりとした空間です。ポケットやトレイ、カップホルダー、助手席のシートアンダートレーといった収納も多く、USBは通信用と充電用が2口あって、とても使いやすいと感じます。

 ただ残念なのは、シート表皮が合成皮革+ツィード調ファブリックになる「HYVRID Z/Z」以外のグレードは、質感がチープに感じられること。

 Zでも、どちらかというと本革と区別がつかないくらいの上質な合成皮革ではないので、ちょっと物足りなさがありそうです。

 そして後席は、大柄な人には頭上も足元もややタイト。ドア開口部も小さめなので、もしファミリーで乗るならチャイルドシート装着が必要な子供ではなく、1人で乗り降りできる小学生以上の子供がいるファミリーにオススメです。

■都会派に見えて悪路も自信あるんです!実は…

 さて、SUVとしての実力を実感した2つ目の理由は、4WDの走破性が予想以上に高いということ。

「RAV4」にも搭載された「ダイナミックトルクコントロール4WD」をガソリンモデルに、「E-Four」をハイブリッドモデルに採用しています。

 試乗会場では、雪道などで前後のタイヤが空転したスタック状態からの脱出と、バンク、モーグルの乗り越えを体験。

 ガソリンモデルは「マルチテレインセレクト」で「MUD&SAND」「ROCK&DIRT」の選択ができ、ハイブリッドモデルでは「TRAIL」モードと「SNOW」モードが選択できるようになっています。

 まずスタックからの脱出では、ノーマルからモードを切り替えるだけで、空転したタイヤにブレーキをかけ、反対側の接地しているタイヤに駆動力をしっかり配分して、ハイブリッドでも思いのほかスムーズにグイッと脱出することができました。

 そしてバンクでは、1輪が浮いた体勢からノーマルのままでも力強く乗り越えられてビックリ。

 モーグルは、わざと対角線上の前後輪が浮くような角度で、さすがにノーマルでは無理でしたが、モードを変えれば接地しているタイヤがガッシリと路面をつかみ、乗り越えていきます。

 その制御の賢さもさることながら、無茶な体勢でも下回りをこすりにくいアプローチアングル、デパーチャーアングルがしっかり確保されていることにも感心。

 最低地上高は170mmで、ライズの185mmよりは低いものの、マツダ「CX-3」が160mm、日産「キックス」が170mmと、コンパクトSUVとしては十分な高さといえるでしょう。

ガソリン車の4WDやハイブリッド車のE-foruは共に、高い悪路走破性を持っているガソリン車の4WDやハイブリッド車のE-foruは共に、高い悪路走破性を持っている

 そして、市街地や高速道路での走りをチェックしてみると、まずハイブリッドモデルは出足から力強くなめらかな加速が得られ、俊敏さの中にもしっかりめの剛性感が感じられるところは、いかにもヤリス譲り。

 でもストロークが長めの足まわりが、フランス車のようなしなやかさとスポーティさを両立する乗り味を演出しており、カーブでの安定感と穏やかさがヤリスクロスならではです。

 乗り心地は、「HYBRID Z」に標準装備となる18インチタイヤがやや硬めで、後席に乗ると振動が気になる場面もありましたが、振動が長引くことなくほぼ一発で収束するのはさすがヤリス一族。2WDよりも、4WDの方が全体的な上質感がアップし、後席の乗り心地も良好でした。

 ガソリンモデルに乗り換えると、出足は元気いっぱい。ハイブリッドと比べると、やや中速域の加速が物足りなく感じてしまいますが、強く踏み込めばしっかり応えてくれるパワーはあります。

 3気筒らしいノイズは聞こえてくるものの、軽快感があって操作フィールもナチュラル。むしろ、オフロードや雪道の走りを楽しむなら、ガソリンの方がキャラクターに合っているのではと感じました。

 今回はガソリンモデルも18インチタイヤが装着されていたのですが、乗り心地を重視するならオススメは16インチタイヤを備える「G」とのことでした。

 また、安全装備が充実しているのもヤリスクロスの魅力です。全車速追従機能付ACCをはじめ、交差点で多い歩行者や対向車の事故防止にもつながるプリクラッシュセーフティなど、日常のうっかりミスからロングドライブの安心まで、幅広くサポートしてくれます。

 しかも、トヨタ初となるS-VSC(横風対応制御付)も全車に搭載され、ハンドルを取られるほどの強い横風を検知すると、車線からの逸脱を抑制してくれるというのが心強いところ。背の高いクルマの運転に慣れていないドライバーでも、安心して乗り換えられるのではと思います。

 ヤリスという名前が付いている以上、誰もが期待してしまう走りの良さを、ヤリスクロスは見事に“SUVらしさ”として表現していました。

 あれもこれもと欲張るよりは、使う人の「欲しい性能」にこだわって作り上げていると感じます。その実力は、もしデザインに一目惚れして購入したとしても、きっとあちこち出かけたくなってしまうような、人生をアクティブにしてくれる1台になっていると思います。

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