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新型「フェアレディZ」は初代をオマージュ! 新型と初代はどれだけ違う?

くるまのニュース / 2020年9月23日 10時10分

2020年9月16日に、日産は新型「フェアレディZ プロトタイプ」を全世界に向けて発表しました。詳細なスペックなど明らかになっていない部分が多いですが、デザインは歴代フェアレディZからさまざまなエッセンスを取り入れており、とくに初代の「S30型」をオマージュしている部分が多く見受けられます。そこで、新型と初代の特徴を紹介します。

■新型「フェアレディZ」は古典的にも見える!?

 日産は2020年9月16日に、12年ぶりに刷新された新型「フェアレディZ プロトタイプ」を、全世界に向けて発表。日本のみならず、フェアレディZ(Z Car)の販売上の主戦場であるアメリカでも、大いに話題となっています。

 今回、発表されたプロトタイプでは、まだ詳細なスペックや発売日などが明らかになっていませんが、デザインについては、グローバルデザイン担当専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏の話によると、歴代フェアレディZのさまざまな部分をモチーフにしているといいます。

 とくに初代の「S30型」をトリビュートしている部分が数多く散見されるため、50年以上前にデビューした初代フェアレディZと新型の共通項や特徴を紹介します。

※ ※ ※

 フェアレディZの前身となるモデルは、1962年に登場したフェアレディ(SP/SR型)です。「ブルーバード」のシャシを流用した英国調のオープンカーで、最終モデルでは145馬力を発揮する2リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載し、国産初の最高速度200km/hオーバーカーでした。

 フェアレディは日本だけでなくアメリカ市場でも受け入れられましたが、さらなるアメリカ市場のニーズに適合するために、1969年に新時代のスポーツカーとして、初代フェアレディZ(S30型)を発売しました。

 欧州の高級スポーツカーに匹敵する性能と、ロングノーズ・ショートデッキのファストバックという、スポーツカーらしさあふれるスタイルを採用。

 軽量ボディにストラット式4輪独立サスペンションによる走りのよさや、なめらかに吹け上がる直列6気筒エンジンで、目論見どおりアメリカでもたちまち大ヒットを記録し、後に英国製スポーツカーをアメリカから駆逐してしまったほどです。

 ボディサイズはスタンダードモデルで全長4115mm×全幅1630mm×全高1290mmと、現在の水準からするとかなりコンパクトですが、大柄なアメリカ人でも乗車できるように、ボディの内外は工夫されているといいます。

 また、使われているパーツを既存のクルマから積極的に流用することで、コストダウンを図り、比較的安い価格を実現。

 内装はタイトにつくられ、コクピットにはドライバーの正面に大型のスピードメーターとタコメーター、インパネのセンターには水温、油圧、電流、燃料、時計のサブメーターを配置して、スポーティに演出しています。

 搭載されたエンジンは「セドリック」や「スカイライン」にも搭載されていた2リッター直列6気筒SOHCの「L20型」を基本とし、最高出力は130馬力を発揮。

 ほかにも1971年以降、北米と英国向けに販売されていた「DATSUN 240Z」と同じ、150馬力でトルクフルな2.4リッター直列6気筒SOHCエンジン「L24型」を搭載する、「フェアレディ240Z」シリーズもラインナップされました。

 さらに、同じく1969年に登場した「スカイラインGT-R」と同じ、ミクニ製ソレックス・ツインチョークキャブレターを3基装備し、160馬力を発揮する「S20型」2リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載した特別なモデル「フェアレディZ432」があります。

 国内モデルのグレードはスタンダードなフェアレディZと、装備が充実したフェアレディZ-L、240Zシリーズでは、「Gノーズ」と呼ばれる専用のフロントバンパーにリベット留めのオーバーフェンダー、リアスポイラーが装着されたスポーティモデルの「240ZG」があり、Z432と240ZGは国内専用モデルでした。

 こうしてデビューを飾ったフェアレディZですが、1973年にはオイルショックの影響などからZ432と240Zの国内販売が終了され、2リッターモデルも随時環境対応に注力されました。

 1974年にはリアシートを備えた4人乗りモデル「フェアレディZ 2by2」が発売され、ユーザーの拡大を図ります。

 また、アメリカでも排出ガス規制の強化により、排気量をアップしてパワーダウンに対応。1974年に2.6リッターエンジンを搭載した「DATSUN 260Z」が登場し、1975年には2.8リッターのインジェクション仕様のエンジンへスイッチした「DATSUN 280Z」が発売。

 1978年に2代目フェアレディZ(S130型)がデビューするまで、初代は全世界で累計52万台以上が販売され、8割近くがアメリカでの販売でした。

■まだ多くの謎に包まれている新型フェアレディZ

 繰り返しになりますが、新型フェアレディZはまだベールに包まれている状態で、詳細なスペックは公表されていません。そこで、まずはわかっている情報から整理します。

クラシカルな雰囲気と最新のデザインが癒合した新型「フェアレディZ プロトタイプ」クラシカルな雰囲気と最新のデザインが癒合した新型「フェアレディZ プロトタイプ」

 ボディサイズは全長4382mm×全幅1850mm×全高1310mmと、初代からふたまわりほど大きいですが、全高は20mmしか変わりません。

 注目されるボディデザインはロングノーズ・ショートデッキと初代をイメージさせますが、実際は現行モデルのZ34型からのキャリーオーバーといってよいでしょう。

 フロントフェイスのデイタイムランニングライトが特徴的で、240ZGのメッキフレームのヘッドライトカバーがモチーフとなっています。

 また、フロントノーズ先端はスタンダードなS30型のエッセンスを継承し、Z33型のデザインをモチーフにしており、四角いフロントグリルは日産のデザインテーマであるVモーションをあえて採用していません。

 サイドビューのシルエットは初代をイメージさせ、とくにリアクォーターウインドウの形状やルーフラインはZ34型を継承しつつクラシカルなS30型に近いスタイルで、Cピラーに配置されている「Z」のエンブレムもクラシカルなレタリングです。

 テールランプは横長のLEDを採用し、Z32型とS30型を融合した形状で、表面はフラットながら発光部は立体的に見える仕組みになっています。

 搭載されるエンジンはV型6気筒ツインターボと発表されていますが排気量や出力は不明。現行モデルは3.7リッターV型6気筒自然吸気を搭載していますから、ターボ化によってダウンサイジングされている可能性が高いとみられています。

 トランスミッションは6速MTの設定が公表され、Z34型と同じくシフトダウン時にエンジン回転数を自動で合わせる「シンクロレブコントロール」が採用されているでしょう。

 内装は正面のメーターパネルが液晶モニターとなり、表示モードの変更が可能と思われますが、公開されている情報ではタコメーター、スピードメーター、ブースト計、油温と油圧、水温、燃料と、ユニークなのがデファレンシャルギア・オイルの温度計も表示されています。

 センターコンソールには、ナビやオーディオの操作と表示ができる大型の液晶モニターが設置され、インパネ上部には、初代を彷彿とさせる3連のサブメーターがあり、ブースト計と電圧計が左右に配置され、真ん中にはターボチャージャーの回転計が設置されているのが、新たな試みです。

 内装は包まれ感のあるタイトな設計で、走りに関わる操作系はドライバーを中心にレイアウトされ、ハイテク満載ながらクラシカルな印象も醸しています。

※ ※ ※

 新型フェアレディZを総合的に見ると、ダッジ「チャレンジャー」やシボレー「カマロ」のように、古き良き時代のエッセンスと最新テクノロジーをうまく融合させているのがわかります。

 先代からあまり変わっていないという意見もありますが、フェアレディZといえば、日産だけでなく日本を代表するスポーツカーです。

 そのスタイルやメカニズムのレイアウトは、ポルシェ「911」のようにすでにアイコン化されていますので、大きく変わることは許されません。

 クルマの電動化が急速に進んでいる状況で、12年も沈黙してきたフェアレディZが、はたしてハイブリッドになるのか、廃止されるのか議論がありましたが、どうやら初代から続く6気筒エンジンのFR駆動は継承されそうです。

 早く公道で走る姿を見るのが楽しみでしかたありませんが、もうしばらく待つことにしましょう。

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