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汚れたエンジンオイルはエンジン破損の原因に!? オイル交換の目安はどれくらい?

くるまのニュース / 2020年10月3日 11時10分

クルマのエンジンを動かすうえで重要な役割を果たすエンジンオイルですが、汚れたままにしておくと、エンジンが破損する恐れがあります。オイル交換は、どれくらいを目処におこなったらよいのでしょうか。

■エンジンオイルは潤滑・洗浄・冷却を担う重要な消耗品

 クルマのエンジンは、金属のパーツが複雑な形状で絡み合って稼働しており、金属の磨耗を抑えるために、エンジンオイルが重要な役割を果たしています。

 エンジンオイルは、金属パーツ同士がスムーズに動くための「潤滑」、また燃料の燃焼で出てくるカーボンのカスや不純物をパーツに付着させない「洗浄」、エンジン内部を循環することでエンジン熱を放出する「冷却」といったさまざまな役割を担っています。

 潤滑・洗浄・冷却以外にも、エンジン内部をサビから守る「防錆」、ピストンとシリンダーの隙間を埋める「密閉」の効果もあります。

 エンジンオイルの交換は、「半年ごと」や「1万kmごと」などといわれていますが、実際のところはどうなのでしょうか。

 都内の某販売店のメカニックであるK氏は次のようにいいます。

「エンジンオイルは、クルマの心臓部であるエンジンを動かす上で必要な血液のような存在です。劣化してドロドロになってしまうと潤滑がスムーズにいかず、エンジンの燃焼効果も下がり、焼きつきなどでエンジンを破損してしまう恐れもあります。

 エンジンオイルには添加剤が含まれていて、そのなかにはオイル自体の耐久性を向上させる成分も含まれており、以前のオイルよりも交換時期が長くなる傾向にあります。

 しかし、さほど距離を走っていないからといって交換を先延ばしにすると、エンジンが十分な性能を発揮できなくなるので、使用状況にもよりますが、1万kmに1回か、長距離を走っていなかったとしても年に1回は点検・交換をお勧めします。

 オイル漏れでエンジンが破損してしまうと数十万円もの修理代がかかるケースもありますので、定期的にオイル交換をすればトラブルを未然に防ぐことができます」(K氏)

 また古いクルマのエンジンには、各部のつなぎや漏れ防止に、ゴム製のパッキンが多用されています。ゴム製なので経年劣化だけでなく高熱による変形などもあって定期的な交換が必要になります。

 一方で設計の新しいエンジンは本体パーツが一体成型されているものが増え、ゴム製品の代わりに液体ガスケットを採用しているクルマが増えています。

 また、クランクシャフトやカムシャフトなど、回転しているパーツにはリング状のオイルシールというパーツが使われ、オイル漏れやエンジン内への異物の侵入を防止しています。

 このオイルシールも、オイルの劣化が激しいと寿命が短くなることもあるので、注意が必要です。

※ ※ ※

 密閉されているはずのエンジンオイルですが、なかに不純物が混じるのはなぜでしょうか。

「エンジンオイルの汚れ具合は、使用状況によって大きく変わってきます。完全にエンジンが暖まる前にエンジンを止めると、不完全燃焼で燃え残った燃料とオイルが結合したり、燃焼室内のオイルの燃えカスが発生します。これがスラッジと呼ばれる不純物となりオイル内に浮遊するわけです。これは使用期間が長いほど溜まっていきます」(K氏)

 また、また渋滞などで十分な風が取り込めなかった場合は、油温が上昇しオイルの潤滑性が一気に低下。そういった要因が重なり、指定距離に達していなくてもエンジオイルが汚れたり劣化してしまうことがあるのだそうです。

「そのまま放置しているとオイルが油膜を保持できなくなり、エンジンのパーツ同士が上手に潤滑されず、これが原因でピストンやシリンダーを痛めてしまったり、最悪は焼き付きを起こしてエンジンブローしてしまう可能性もあるのです」(K氏)

■オイル漏れは修理が必要 応急処置はどうする?

 クルマからのオイル漏れを発見した場合は、できるだけ早くディーラーや販売店、整備工場などで修理するのが賢明です。

 ただ、すぐに持ち込めない場合や、下に漏れるほどではない軽症の場合は、オイル漏れ止め性能を持った添加剤が有効な場合もあります。

エンジンオイルの点検は自分でできるエンジンオイルの点検は自分でできる

「あくまで応急処置ではありますが、すぐに修理に出せない場合などは『オイル漏れ止め添加剤』を使用するのも手です。

 おもにエンジンオイルと混合させて使用するのですが、オイルの粘度を上げて劣化したオイルシールやパッキンの隙間を埋めつつ油膜を形成し、漏れやにじみを防いでくれることから、添加剤でその場をしのぐこともできます」(K氏)

 もうひとつポピュラーな対処法は、オイルの継ぎ足しです。漏れた箇所をすぐに修復できない場合は、規定量までオイルを継ぎ足しながら修理してもらえるところまで動かすことができます。

「漏れていなくても、エンジンオイルが内部で燃焼してしまう場合などは、継ぎ足しで済むケースがあります。その場合は粘度の高いオイルを使うと油膜がエンジンを保護してくれますが、そのぶん燃費が多少悪化することもありますので、悩んだらスタッフなどに相談してみてください」(K氏)

 これらはあくまでも応急処置で、オイル漏れの量が多いと車両火災の原因となるだけでなく、スリップ事故を誘発することもあるので、すみやかに修理をおこないましょう。

 また、エンジンオイル以外にも定期的に点検や補充、交換したほうがいいものもあります。ATフルード(オイル)や冷却水なども併せてチェックしておきたいところです。

「最近はCVT車が増えていますが、メンテフリーではありません。メーカーが推奨しているのはだいたい4万kmとなっています。これを無視して走っていると壊れる確率がかなり高まりますので、エンジンオイルだけでなくATフルードやCVTフルード、ミッションオイルなども定期的なチェックと交換を忘れないでいただきたいです」(K氏)

※ ※ ※

 クルマは、エンジンなどの精密機械とタイヤやサスペンションなどの動作が噛み合ってはじめてスムーズに動くものです。

 正常な動作には消耗品がつきものと理解した上で、グッドコンディションを維持するためにも定期的なメンテナンスを心がけましょう。

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