スズキ新型「ソリオ」発表! 12月発売へ 5年ぶり全面刷新で打倒ルーミーなるか?
くるまのニュース / 2020年11月25日 10時30分
スズキは、2020年11月25日に新型「ソリオ/ソリオバンディット」を発表しました。全面改良を受けた新型ソリオ/ソリオバンディットは、どのような進化を遂げたのでしょうか。
■「賢いお客さまに選んでいただけるクルマ」に仕上がった新型「ソリオ」
スズキは、2020年11月25日に小型トールワゴンの新型「ソリオ/ソリオバンディット」を発表しました。発売は同年12月4日を予定しています。全面改良を受けた新型ソリオ/ソリオバンディットは、どのような進化を遂げたのでしょうか。
今回、ソリオはフルモデルチェンジで4代目モデルとなりましたが、ソリオの前身となるモデルとして「ワゴンRワイド」および「ワゴンR+(プラス)」が1990年代後半から2000年にかけて販売されていました。
このワゴンR+が「ワゴンRソリオ」に改名され、その後「ワゴンR」が取れたことで、独立した車種である初代「ソリオ」が2005年に登場。
2011年に2代目へフルモデルチェンジし、このモデルから後席ドアをヒンジドアから両側スライドドアに変更しています。
2015年には3代目ソリオが登場しました。2011年から2019年の年間販売台数は、3万台から5万台の間で推移しています。
そんななか、2016年にトヨタがダイハツ「トール」のOEM車として「ルーミー/タンク」を発売したことで、小型トールワゴン市場の潮目が変わりました。
ルーミー/タンクは兄弟車の関係にあたる小型トールワゴンで、高い車高による広い室内や、後席両側スライドドアなどの特徴を備える点で、ソリオと競合します。
そして、トヨタは販売チャネル別にルーミー/タンクを売り分けることで、広い販売網という強みを持つトヨタのディーラー全店で購入できる体制を構築したのです。
ルーミー/タンクの合計販売台数、2017年は14万9529台、2018年は16万64台、2019年は16万6168台と、毎年台数を伸ばしており、2020年には「ルーミー」へと一本化。同時にマイナーチェンジもおこなわれ、商品力が強化されています。
このような小型トールワゴン市場のなかで、スズキはソリオ/ソリオバンディットのフルモデルチェンジをおこなうことになったのです。ボディも刷新され、全長を従来モデルから80mm(ソリオバンディットは70mm)長くしたことで、広い荷室と居住空間の両立を実現。
スズキは、フルモデルチェンジした新型ソリオ/ソリオバンディットについて、次のようにコメントしています。
「開発にあたって大切にしたのは、お客さまや販売現場の声に耳を傾けて、先代ソリオへの評価と新型ソリオに期待する点を把握することです。
その結果、主にファミリーの方々から『後席を快適にしてほしい』『荷室を広くしてほしい』との声が聞こえてきました。一方で、安全装備への期待が非常に大きいこともわかりました。
そこで進化の方向性としては、後席の快適性や荷室の広さを向上させ、予防安全などの最新技術も積極的に投入するとともに、運転のしやすさや乗り心地、静粛性などの基本性能をいっそう磨き上げることにしました。
ソリオをご購入のお客さまには、クルマについての情報を調べ、実際にお店に足を運んだうえで購入を決断される傾向があります。
新型ソリオもそんな合理的で賢いお客さまに選んでいただけるクルマに仕上がったと確信しております」
■「スズキ小型車初」の装備も多数設定
新型ソリオは、先代から引き続き標準モデルの「ソリオ」とカスタム仕様の「ソリオバンディット」の2モデルで構成されます。
新型ソリオはフード先端を上げ、厚みを増したフロントフェイスが特徴。一方新型ソリオバンディットは、細部までつくり込んだ立体感あるフロントグリルが強い存在感を演出します。上下2段にデザインされたヘッドライトは、先代から継承されたデザインです。
前述のとおり全長が拡大されたものの、最小回転半径は4.8mのままとし、優れた小回り性能を維持しました。
内装は、角度をドライバーに向けることで視認性が向上したセンターメーターを採用し、9インチHDメモリーナビゲーションをメーカーオプション設定。
USB電源ソケットをインパネ中央部に2個設置したほか、新設定の運転席アンダートレーをはじめ、収納も充実させました。ドアミラーの高さを15mm低くしたことで、ミラーによる死角も低減しています。
新型「ソリオ」の車内
荷室床面長は先代から100mm拡大され、荷室スペースを拡大。35Lサイズのスーツケースを5個積載しても、ゆとりある後席スペースを実現しました。
搭載されるエンジンは最高出力91馬力の1.2リッター直列4気筒 で、最廉価グレード以外の全グレードにマイルドハイブリッドが組み合わされます。
先進安全装備として、カラーのヘッドアップディスプレイをスズキ小型車として初採用。運転中の視線移動が少なくなり、安全運転に寄与するほか、必要に応じてさまざまな情報の割り込み表示をおこないます。
また、駐車時の周囲の確認に役立つ「全方位モニター」のカメラ画像をデジタル伝送化(スズキ小型車初)し、鮮明な映像を表示することが可能となり、見えづらい場所の視界を確保することが可能となりました。
さらに、前出のヘッドアップディスプレイや、夜間の歩行者検知にも対応した衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」、全車速追従に対応したACCなどから構成される予防安全技術群「スズキセーフティサポート」も搭載されています。
万が一の際に乗員を守る6エアバッグ(運転席助手席SRSエアバッグ、フロントシートSRSサイドエアバッグ、SRSカーテンエアバッグ)は全車標準装備です。
快適装備としては、予約ロック機能が追加されたパワースライドドアや、スズキ小型車初となるスリムサーキュレーターが搭載されて空調の効率もアップました。
乗り心地や静粛性向上の観点から、構造用接着剤を採用したほか、ルーフパネルとルーフメンバーの接合部に高減衰マスチックシーラーを採用することで、こもり音や雨音を軽減しています。
※ ※ ※
全面刷新された新型ソリオ/ソリオバンディットの価格(消費税込)は、158万1800円から214万8300円です。小型トールワゴン市場のなかで、どれほどの存在感を見せることができるのか注目されます。
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