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ホンダが車中泊需要に本気!? 「N-VAN」に次ぐキャンプビジネスへの取り組みとは

くるまのニュース / 2021年2月27日 7時30分

近年、車中泊やオートキャンプをはじめとしたアウトドアの人気が高まっており、ホンダも東京オートサロンで「N-VAN」や「フィット」でのアウトドアスタイルを提案しています。ホンダが次にアウトドア需要を狙って取り組むビジネスとはどのようなものなのでしょうか。

■画期的な4ナンバー車として登場した「N-VAN」

 2020年代に入って、さらに加速しているキャンパーブーム。そのなかで、改めてホンダ「N-VAN」の凄さを実感している人は多いのではないでしょうか。

 最大の強みは、シンプルな商用としてあるベース車「G」に加えて、多種多様な商用と乗用の選択肢を一気に増やした「+STYLE FUN」の存在です。

 4ナンバー車でここまで「仕事と暮らし」両面から提案しているメーカーは、ホンダだけだと感じます。

 トヨタ「ハイエース」や日産「NV350キャラバン」といった商用車を乗用化する動きは、ユーザー側の要望にメーカー側が一部応えているという印象が強いと思います。

 一方、N-VANは商品企画から、多彩なオプションパーツ開発を並行しておこない、さらにホンダが独自のウェブサイトでさまざまなライフスタイルを提案するという、トータルパッケージ戦略となっています。

 そうしたホンダのキャンパービジネスの実態について、さらに今後の事業拡大の可能性について、ホンダ本社(本田技研工業)とホンダ関連部品企業であるホンダアクセスに詳しく聞いてみました。

 まずは、ホンダのクルマ作りプロセスの特徴をお伝えしますと、ホンダが長年おこなってきた手法は、ホンダ本社が営業やマーケティングをおこない、その結果をもとに本田技術研究所に車両開発を発注するかたちです。

 これは、ホンダ創業者の本田宗一郎氏が考案したものです。

 ただし、昨今の世界的な自動車産業の変革を考慮した結果、2019年4月から二輪事業を、また2020年4月から四輪事業での量産開発を、本社と研究所を一体化させるという大規模な組織再編をおこないました。

 N-VAN開発はこの組織再編前に企画生産されていますが、N-VAN含めて現時点(2021年2月)は新体制のなかでキャンパー関連事業の開発が進められていくと思います。

 その上で、ホンダ側の回答としては「各機種の開発チームのなかに、ホンダアクセスの用品開発者もメンバーとして参加し、車両コンセプトに合わせた用品開発をおこなっています」という体制です。

 また、ホンダアクセス商品企画担当者もホンダ本社の商品企画担当と連携してプロモーションも含めた共同作業を進め、発売後の市場検証もおこない、次の企画に結びつける活動を続けています。

 とくにN-VANでは、商用と一般ユースの両面で多様な使用シーンを想定した多くの用品を企画しているため、ユーザーや販売店の反応を細かく分析しているとのことです。

 では、こうしたN-VANの一般ユースの広がりを踏まえて、車中泊、手軽なキャンプ、さらにさまざまな趣味に対応するトランスポーターという視点での、いわゆる「クルマのキャンパーブーム」をホンダはどう捉えているのでしょうか。それとも、これは一過性のブームでしょうか。

 これに対しては「一過性のブームというよりも、アウトドアアクティビティはひとつの趣味ジャンルとして都市部の住民を中心に定着してきたと思います。

 クルマのキャンパーや車中泊は、クルマを使った新しいライフスタイルのひとつとして市民権を得つつあります」との考えを示しました。

 加えて「近年多発する自然災害時の車中避難なども、(一連のキャンパーブーム)の背景になるのではないか?」とも指摘します。

 ちなみに、ホンダアクセスが自家用車を所有する20歳から69歳のドライバー1000人を対象として2020年9月におこなった独自調査では、車中泊の経験者は34%でした。

 そのなかで、車中泊をしたきっかけは「安く楽しめる」が32.6%、「時間にしばられない」が19%となった一方で、4%の人が「災害時非難で車中泊を経験した」と回答しています。

■多彩な情報発信としっかりとした情報分析

 ホンダのキャンパービジネス戦略をさらに深堀してみましょう。

 前述のように、ウェブサイトなどを使った緻密なマーケティングに特徴があります。主体となるのが、その名もズバリ「Hondaキャンプ」です。

 開始時期は2010年3月で、ウェブコンテンツとして開始し、各領域の専門家と相談しながら記事を追加し更新しています。

 そうしたなかで、商品軸以外でもユーザーとの接点を継続的に持てるということが非常に重要だという認識があり、「例えば、車種ページご訪問者に比べて、クルマへのご関心がそれほど高くない方や他のメーカーのクルマにお乗りの方も、これらのコンテンツに多くご来訪頂いております」という一般メディア化という側面があるといいます。

 Hondaキャンプ以外にも、「Honda釣りクラブ」「Honda Dog」そして「Honda GOLF」といった多彩なウェブコンテンツを運営しているのがホンダの他社と違う大きな特徴でしょう。

 実際の運用については、ホンダ車を使ったアウトドアの楽しみ方などソフト情報はホンダ本社が制作して情報発信しています。

 また、またユーザー向けのアウトドアイベントについては、現在では用品装着したホンダ車を展示して紹介するためホンダ本社と連携してホンダアクセスとして出展する場合が多いそうです。

 そうしたなか、先日バーチャルのみ開催となったオンラインオートサロン2021(バーチャル開催)出展車の狙いについては「ホンダが目指していること=お客さまの生活の可能性を拡げていくこと、です。

『もっとこういった使い方ができる』、『こんなところまで行ける』という点を、FIT e:HEV クロスター カスタムとN-VANカスタムで提案しました」といいます。

ホンダ「フィット e:HEV クロスター カスタム」ホンダ「フィット e:HEV クロスター カスタム」

 両モデルとも量産の予定はないとのことですが、N-VANカスタムでは、「ホンダ特設ウェブサイト内でテーブルの図面を公開しており、ユーザー自身でのカスタムは制作可能です」というホンダ独自の提案を試みました。

 最後に、今後の事業の可能性について聞きました。なかでも気になるのがミニバン向けです。

 これについて「今後の機種で現時点において具体的に言及できるものはありませんが、すでに『フリード+』ではほぼ平らになる荷室部分を使った車中泊の提案はおこなっており、そのフィードバックも参考に、今後の開発過程でこのような用途またはそれに適したシートアレンジ・積載性・給電機能等が考慮される可能性はございます」ということで、ユーザーにとって期待が持てそうです。

 加えて、トヨタなどで近年始まった、販売店が企画する新車保証の範囲でのコンプリートカー・キャンパーで、ホンダはどうするのかが気になります。

 この点については「ホンダは工場出荷及び納車時点の車両状態をお客さまにとって最良のものとすべく事業に取り組んでおり、お客さまのこまかなニーズに対応すべく、純正アクセサリーを数多く展開しています。

 新車保証の範囲で考えると、これらの純正アクセサリーでカバーしていくことになります。(多くの社外品は新車保証対象外になるため)販売店でも、アウトドアを訴求ポイントとして使うことは多いですが、キャンパーとしてコンプリートカーという形でおこなっているところは現時点ではないと思います」という回答を得ました。

 ホンダのキャンパー事業、N-VANに加えて今後、ユーザーがあっと驚くようなベース車の登場に期待したいところです。

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