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【元祖・世界一美しいクーペ】BMW「M6」は次に値上がり必至の優良物件か!?

くるまのニュース / 2021年4月14日 19時10分

バブル時代に憧れだったBMW「6シリーズ」の日本での最高峰である「M6」は、現在のオークション・マーケットでどのような評価を受けているのであろうか調査してみた。

■元祖「世界一美しいクーペ」の「6シリーズ」とは

 かつて「世界一美しいクーペ」と呼ばれたBMWの初代6シリーズである「633CSi」。型式でいうとE24型というこのクーペは、1977年にデビューし、1984年まで製造されていた。

 その後、E24型6シリーズは、エンジンを3.2リッター直列6気筒から3.4リッター直列6気筒に変更し、名称は「635CSi」と変更して販売が続けられ、1987年には大型の衝撃吸収バンパーを採用。これによってシルエットが若干武骨になってしまったが、クーペとしての基本の美しさは変わらず、1989年の生産中止まで、本来の意味でのグランドツーリングカーとして、人気を保っていた。

 そんなE24型6シリーズの、トップモデルに君臨するのが「M635CSi」である。

 もともと「M1」に搭載されたM88型エンジン(正確にM88/1型)というのは、純粋なレーシングエンジンとして開発されたものだった。

 そのM88/1型を市販車であるE24型6シリーズ(M635CSi)とE28型5シリーズ(M5)に搭載するため、ドライサンプであったオイル潤滑機構をウェットサンプにし、ダブルタイミングチェーンをシングル化するなどしたのが、M88/3型というエンジンだ。

 ところがこのM88/3型エンジンは、当時もっとも厳しいといわれていた北米や日本での排気ガス規制に対応できなかった。

 そこで北米市場と日本市場用としてBMWがM88/3型エンジンをベースに開発したのが、S38型エンジン(S38B35)である。具体的な違いは、低圧縮比への変更や等長エキゾーストマニホールドを廃止するなどして、最高出力がM88/3型の286psから260psへとダウンしている。

 このエンジンを搭載したモデルを当時「M6」と呼んだ。つまり、S38B35エンジンを搭載するE24型M6というクルマは、日本と北米でしか販売されていなかったわけである。

 当時日本では、M88/3をデチューンしたS38B35エンジンは評価が低く、M88/3型エンジンを搭載したM635CSiを並行輸入する例が多かった。ボンネットフードを開けると、ヘッドカバーのデザインが異なっているので一目瞭然である(エンブレムと「M Power」とあるのがM635CSiで、「BMW M Power」とあるのがM6)。

 しかし、いまとなってはM88/3エンジン搭載のM635CSiも、S38B35エンジン搭載のM6も個体数が減っていることもあり、大切に乗っているオーナーが多くなった。

 ちなみにS38型はその後、排気量をアップすることで311psを発生する3.6リッターのS38B36に進化。さらに335psを発生する3.8リッターのS38B38へとアップグレードして、E28型の次世代モデルとなるE34型「M5」に搭載されている。

■E30型「M3」に比べれば、手が届きやすい「M6」の落札価格

 E24型M6の販売台数は、アメリカでは1767台、日本では164台といわれている。この台数は、633CSiや635CSiと比べると、はるかに希少といっていいだろう。

 このE24型M6が、RMサザビーズオークションに2台登場したので、世界のオークション・マーケットでM6がどのような扱いを受けているのかを調査してみよう。

●1988 BMW「M6」

約600万円で落札されたBMW「M6」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's約600万円で落札されたBMW「M6」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 シナバーレッドも鮮やかな個体は、パシフィック・コースト・ハイウェイ・コレクションから出品されたものだ。純正の電動スライドルーフを装備し、本革シート仕様となっている。

 この個体は1988年式で、前席には電動調整機構も備わっている。オーディオのヘッドユニットは、いまはなきオーディオメーカーのナカミチ製。トランクルームにはJLオーディオのパワーアンプも搭載されていて、1988モデルにのみ装備されていた後席の独立エアコンも完動品となっている。

 内外装の状態は、コレクションからの出品ということもあって、非常によい。走行距離は6万3000マイル強(約10万km)だが、内装の状態はその距離を感じさせないもので、BBS製のホイールもキズなどがなく使用感はあまりない。

 純正のファーストエイドキットやツールキットも付属していることも含めてオークションでの評価は高く、5万5000ドル(約600万円)での落札となった。

約500万円で落札されたBMW「M6」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's約500万円で落札されたBMW「M6」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 もう1台のM6も、同じく1988年モデルである。こちらはある家族が21年間所有したのち、ふたりのオーナーを経てRMサザビーズオークションに出品されることになった。

 走行距離は約6万6000マイル(約10万5000km)。ブラックのボディカラーとブラックレザーの内装をもち、電動スライドルーフも装備している。

 前述の赤いボディカラーのM6との違いは、オーディオが純正カセットテープ仕様であることと、ファーストエイドキットがない、ということくらいだが、こちらは4万5100ドル(約500万円)での落札となっている。

 この100万円の違いは、コレクションからの出品と個人からの出品というところと、ボディカラーの違いにあるのかもしれない。

 E24型M6と同時代にラインナップされたE30型「M3」の中古車価格に比べると、新車当時1300万円ほどであったM6の落札価格は、ジリジリと値上がりしているとはいえ、まだバーゲンプライスといっていい範囲だ。今後、その価値がさらに見直されるかもしれないので、いま手に入れておくというのも賢い選択といえるだろう。

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