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なぜ違反なのに口頭注意だけ? 「後席シートベルト違反」の謎! 非着用の被害はどれほど?

くるまのニュース / 2021年10月17日 9時30分

道路交通法において、違反行為の種類により違反点数や反則金が設けられています。しかし、なかには違反点数や反則金が設けられておらず口頭注意だけのものもあるといいますが、なぜ口頭注意だけなのでしょうか。

■反則金、違反点数がない交通違反がある!

 日本では道路交通法にて交通ルールが細かく定められており、仮に違反した場合には行政処分として点数制度が設けられ、違反点数に応じて反則金が科せられます。
 
 しかし、違反内容によっては反則金が設けられていない場合があるといいますが、それは違反行為なのでしょうか。

 一般的に交通違反の場合には、「交通反則告知書」(以下:青キップ)と「納付書・領収証書」が交付され、違反点数や反則金などが定められています。

 違反行為によっては反則金を納付する必要がないものも存在し、それらの違反では「告知票」(以下:白キップ)が交付されます。

 また、青キップや白キップとは別に重大な違反を犯した場合には「道路交通違反事件迅速処理のための共用書式」(赤キップ)が交付されます。

 しかし、道路交通法上で明確に違反と記載されている項目でも注意喚起だけで終わるものが存在します。

 それが「後部座席シートベルト装着義務違反」です。これは、2008年の道路交通法改正にともない、全席のシートベルト着用が義務化されました。

 しかし、反則金は設けられておらず、高速道路上で違反した場合は違反点数1点、一般道路においては口頭注意のみに留まります。

 なお、「シートベルト装着義務違反(運転席・助手席)」では高速道路・一般道路共に違反点数1点、反則金はありません。

 後部座席のシートベルト着用は義務化されているのにも関わらず、なぜ一般道路では付加点数も設けられていないのでしょうか。以前の取材で警察庁の担当者は次のように話していました。

「後部座席のシートベルトについては、2008年に施行された改正道路交通法によって着用が義務化されました。

 しかし、一般道路での後部座席シートベルトの着用率は8.8%(2007年10月調査)と極めて低かったことから、当面はシートベルト装着の被害軽減効果などの広報啓発活動に重点を置くことにしました。

 警察では、これまでもJAF(日本自動車連盟)、日本自動車工業会といった関係団体の協力も得ながら、後部座席におけるシートベルト着用の効果や必要性について、広報啓発活動に努めてきました。

 今後も地方公共団体や関係機関などと連携しながら、全国交通安全運動や運転免許の更新講習などあらゆる機会を通じて、周知徹底していきます」

※ ※ ※

 警察庁とJAF(日本自動車連盟)との合同調査による「シートベルト着用状況全国調査2020年版」では、全国887箇所における後部座席のシートベルト着用率は一般道路で40.3%、高速道路で75.8%と、2002年の調査開始以来過去最高の数値となったと発表されています。

 一方、運転席の着用率をみると、一般道路では99.0%、高速道路では99.7%、助手席もそれぞれ90%を越える数値となっており、依然として後部座席の着用率が低いといえます。

■後席シートベルト非着用時の危険性は?

 警察庁によると「後部座席シートベルト着用・非着用別致死率」は、2016年から2020年の過去5年合計で、一般道路では着用時の約3.2倍、高速道路では約19.8倍となっています。

 JAFでは、2017年に「後席シートベルト非着用時の危険性」についてのテストをおこなっています。

 テスト方法は、走行速度55km/hで、ダミー人形4体を乗車させ、そのうち3体がシートベルト着用、運転席側の後部座席に座る1体がシートベルトを着用せずに、フルラップ前面衝突試験を実施しました。

 テストでは、シートベルト非着用のダミー人形は衝突時に体が投げ出されてヘッドレストに頭を打ち付け、さらには運転席にいるダミーを押しつぶしています。

「全ての座席でシートベルトを着用しなければなりません!(免除される場合は除く)」「全ての座席でシートベルトを着用しなければなりません!(免除される場合は除く)」

 一方で隣のシートベルトを着用しているダミー人形は、シートベルトで体が拘束されていたため、身が投げ出されることはありませんでした。

 頭部への障害の程度を示す数値をみても、シートベルト非着用のダミー人形は死亡や重傷に繋がる致命的な損傷を負う可能性が高いということが分かりました。

 このように、シートベルトの着用・非着用では身体への損傷のダメージが大きく異なり、1人でもシートベルトをしていないだけで、まわりのシートベルト着用者にも損傷を負わせる可能性があるということが分かります。

 このことから「車内の構造物(ピラーやシートなど)に激突し、自らが損害を負う」「運転者や助手席同乗者へぶつかり、危害を加える」「窓などから社外に放出される」といった危険性が挙げられています。

※ ※ ※

 警察庁では、シートベルトは交通事故に遭った場合の被害を大幅に軽減するとともに、正しい運転姿勢を保つことにより疲労を軽減させるなどさまざまな効果があると説明しており、「全ての座席でシートベルトを着用しなければなりません!(免除される場合は除く)」と呼びかけています。

 また、違反点数や反則金が設けられていないからといっても、シートベルトを着用しないのは違反行為には変わりません。また、シートベルトをしていないうえでの事故などでは、被害者の過失とされる可能性もあり、損害賠償などが十分に受けられなくなることもあるようです。

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