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「お湯はNG」 クルマの窓ガラスが凍ったらどうするべき? 事前事後の異なる対処方法とは

くるまのニュース / 2021年12月30日 7時10分

冬場の気温が低い状態などでクルマを運転しようとすると、窓ガラスが凍っていることがあります。そうした場合にはどのような対処方法が適切なのでしょうか。

■凍結のガラスにお湯は危険! ガラスメーカーが話す危険な理由とは

 冬はフロントガラスが凍結し、すぐに出発できないということもあります。凍結を解消するために、ガラスにお湯をかけても良いのでしょうか。

 北海道や東北など雪の降る地域では、クルマで出かける際、ボディの雪下ろしが必須で、エンジンをかけてすぐに出発というわけにはいきません。

 そのためクルマを利用する際は、少し早く外に出て雪下ろしをしたり、クルマ周辺の雪かきをしたりと、出発の準備をしているという人がほとんどでしょう。

 また、離れた距離からでもクルマのエンジンがかけられるスターター機能を利用して、家を出る前にエンジンをかけておくという人も少なくありません。

 このように暖機で時間を節約し、雪下ろしや雪かきも家族と手分けしておこなうなどの方法がありますが、その一方で、なかなか時間がかかってしまうのが、フロントガラスの「凍結」の解消です。

 気温が低下するとクルマのフロントガラスは凍結し、前方が真っ白に。エンジンをかけてクルマを温めておいても、解消されるまでかなりの時間を要します。

 単純に「気温が低くて凍結している」と考えると、お湯をかけてフロントガラスを温めたら良いのではないかと思う人もいるかもしれません。

 凍結したフロントガラスにお湯をかけて解氷するのは、適切な方法といえるのでしょうか。

 自動車のガラス製造も請け負うガラスメーカーAGCの担当者は、このことについて以下のように話します。

「冷えたガラスにお湯をかけてしまうと、温度差が激しく、細かい傷や亀裂の部分から割れが広がってしまう可能性があります。

 とくに、クルマのフロントガラスは飛び石などによって、目視できないような小さな傷が付いていることもあるため注意が必要です」

 これは、クルマのフロントガラスだけでなく、一般的なあらゆるガラスに該当することです。ガラスは急激な温度変化に強い素材ではありません。

 例えば、冷蔵庫などでキンキンに冷やしたコップに熱々のお湯を注ぐと、フロントガラス同様に割れてしまう可能性があります。

 これには、体積の問題が関係しています。もちろん目視はできませんが、ガラスは冷やされると体積が小さくなり、温められると大きくなります。

 じわじわと温度を変化させるぶんには問題ありませんが、一部に急激な温度変化が起こると周りの体積と温度変化が起こった部分の体積に大きなギャップが生まれ、ガラスを構成する組織がその差に耐えられなくなり破損してしまいます。

 そのため、フロントガラスにお湯をかけると、お湯がかかった部分とかかっていない部分で瞬時に体積の差が生じ、割れが広がってしまうかもしれないというわけです。

■そもそもなんで凍結?フロントガラスの凍結理由と適切な解消方法

 冬のクルマ利用時に厄介なフロントガラスの凍結ですが、そもそもなぜ凍結するのでしょうか。

 まず、凍結の前段階として「結露」が考えられます。結露は寒い日に生じやすく、空気中の水蒸気が凝結して水滴になる現象のことです。

 気温が低い日は、車内と車外で気温差ができやすいため、車内の温かい空気が外気で冷えた窓に触れることで飽和水蒸気量が小さくなり、凝結して結露が生じます。

 梅雨の時期などは、このように結露が生じるため、フロントガラスが白く曇っていることがあります。

 凍結は、そうしてフロントガラスに付着した水滴が、冬の冷たい空気でさらに冷やされて、凍りつくことで発生します。

 では、そのようにしてフロントガラスが凍結した場合、どのように解消したら良いのでしょうか。

 適切な解氷方法としては、「スノーブラシ」「デフロスター」「解氷スプレー」の3つの使用が挙げられます。

 まず、スノーブラシは、一方が雪下ろしをするためのブラシ、もう一方が氷などを削ぎ落とすスクレーパーのようになっている道具で、降雪地ではクルマや家の玄関に常備してあるのが一般的です。

 スクレーパーの部分で凍結部分を削ることで、物理的に凍結を解消することができますが、その一方でフロントガラスを傷つけてしまう恐れもあるため、扱いには注意が必要です。

凍結している場合にはスクレーパーで削り取るのが有効だが、力任せにやると傷つける恐れも凍結している場合にはスクレーパーで削り取るのが有効だが、力任せにやると傷つける恐れも

 続いて、車内空調機能のひとつであるデフロスターを活用するという方法も挙げられます。エアコンの吹き出し口をデフロスターに設定するか、デフロスターのボタンを押して使用します。

 エンジン始動直後は、エンジンが温まっておらず、デフロスターからも冷気しか出ないかもしれませんが、しばらく始動させていることで次第に暖かい空気が出るようになり、徐々にフロントガラスが温められます。

 そのため、少しずつにはなりますが、フロントガラスの凍結を解消することが可能です。

 また、解氷スプレーは、カー用品店などで購入できる液剤のひとつで、凍結したガラスに吹きかけることで素早い解氷を促すものです。

 基本的に解氷スプレーには、エタノールなどのアルコール成分が含まれており、解氷を促進するとともに、定期的に使用することで凍結を防止する効果もあります。

 状況や地域によっても適切な方法は異なるでしょう。いま一度、自分のクルマに適切な方法を検討してみるのが良いかもしれません。

※ ※ ※

 カー用品店では、解氷成分が含まれたウォッシャー液なども販売されており、そういったものを活用するのも良いでしょう。

 しかし、ガラスが凍結している場合にワイパーを動かしてしまうと、フロントガラスと凍結で癒着したワイパーのゴムがちぎれてしまう可能性があります。

 翌日に凍結が見込まれる場合は、あらかじめワイパーを立てておくなど、ワイパーがフロントガラスとくっついてしまわないように注意が必要です。

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