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ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか

くるまのニュース / 2024年4月25日 20時10分

クルマのガラスを拭く「ワイパー」は動く速さを変えられますが、劣化すると交換が必要です。劣化しないよう「低速モード」で使い続けることに、節約効果はあるのでしょうか。

■高速モードのワイパーは寿命が縮まる?

 これから梅雨、夏と季節が進むにつれて、雨の中で運転することが多くなります。こうしたシーンでは、視界を確保するためにワイパーが欠かせません。
 
 ワイパーには、一般的に低速モードと高速モードが用意されていて、車種によっては作動する速さを段階的にチェンジすることが可能です。
 
 一般的に低速モードは1分間に45回ほど作動し、大雨でなければ低速モードで十分といわれています。一方、雨量が多い場合は、1分間に70回とより早く作動する高速モードが適切です。
 
 ここで脳裏にある不安がよぎります。高速モードにするとしっかり水滴を除去できますが、その代わりワイパーのゴムがより早く劣化するのではという不安です。

 というのも、ワイパーのゴムがガラスに接する部分は非常に薄く、0.01mmから0.015mmほどの厚みしかありません。なぜならワイパーの役割は「ウインドウの水滴を完全にぬぐう」ことではなく「ガラス面に均一の水の膜を作り、車内にまっすぐに光を入れること」だからです。

 実際どうなのでしょうか。高速モードでの使用とワイパーの寿命について、自動車整備士は次のように話します。

 「高速モードで使用し続けた場合にはゴムが傷む恐れがあります。ワイパーのゴムは消耗品のため、高速モードで使用し続けると単純に使用頻度が多くなるためです。

 しかし、基本的にワイパーが劣化したり拭き取りが悪くなる原因は、太陽光に当たることなどでの経年劣化です。高速モードで使い続けたこと”だけ”が原因となってワイパーのゴムの交換が必要になるケースはないと思います」

 また、別の自動車整備士は次のように話します。

 「高速運転では、フィンがついているものだと圧力がかかってゴムを押し付けるので、ゴムがすり減ったりすることがあります」

■ヘッドライトを「拭く」ためだけのワイパーもあった!?

 このように、高速モードによってゴムの使用頻度が高まることによって、傷みが早まったりすり減ったりする可能性は、もちろんゼロとはいえません。

 でも反対に「ワイパーの寿命を伸ばすために、低速モードを使い続ける」というのは、消耗対策として意味があることなのでしょうか。雨があまり拭えなくなることと天秤にかけて、どちらが得と言えるのでしょうか。

 低速モードを続けることについて、前出の自動車整備士は次のように語ります。

 「低速モードで使い続ける場合、高速モードで使うよりは理論上、消耗するペースは弱まります。しかし、両者に大きな差はなく、『低速で使用していたからワイパーが長持ちした』ということはあまりないと思います。

 ワイパーのゴムは”時間によって固まったり傷んだりする”ので、ワイパーを長持ちさせるために高速か低速かなどの使い方を気にする必要はないと考えます。

 また、強い雨の日に低速モードで使用し、フロントガラスが雨で見えなかったら意味がありません。そのような使い方では、事故を起こす確率が上がってしまい、ワイパーの消耗どころではなくなります」

 ワイパーのゴムは消耗品であるため、使用頻度によって若干の消耗ペースの差はあるようですが、低速で使い続けたことによる”経済的なメリット”はほとんど無いようです。

 また、基本的にゴムの劣化は”頻度ではなく時間”が原因となります。それに、使用に伴う摩擦や太陽光による化学変化だけでなく、さまざまな要因でワイパーは劣化していきます。

 たとえば、ガラス面についた汚れをワイパーで拭き取ると、ゴムにダメージが残ることがあります。具体的には”黄砂や花粉がついたままワイパーを作動させる”といった場合も、同様に劣化につながります。

 また、冷え込んだ冬場にガラスが凍ることがありますが、こうした状態でワイパーを動かしてもゴムが痛みます。

 さらに、ゴムを保持する金具のワイパーブレードも使用に伴い、ガタついたり、サビが出たりと劣化します。

 結局、少しでもワイパーを長持ちさせるためには”日頃の使い方”に注意するとよいでしょう。

 まず、ワイパーゴムもガラスも、どちらも汚れを取りきれいに保つとよいでしょう。また、”ガラスが乾いているときは、ワイパーを動かさない”ことも大切です。こうした状態では、砂や汚れをガラスにつけることになります。ワイパーを使わない時は、ガラスに立てかけておくと劣化を防ぐのに効果的です。

 または、”長持ちするタイプのワイパー”に買い換えるのも方法です。たとえば、ゴム部分に撥水成分を含ませた撥水ブレードがあげられます。

 ワイパーがどれほど劣化しているかは見た目ではよくわかりません。では、どのようなタイミングで交換すればよいのでしょうか。

 ワイパーの交換時期について、前出の担当者は次のように話します。

 「ゴムはどんどん劣化が進むので、点検のたびに交換しています。頻度としては”1年に1度”程度です。ゴムの状態が悪いと車検に通らない可能性もあるので注意が必要です」

 ほかにも、ワイパーできれいに拭けなくなったら交換するとよいでしょう。

 ワイパーを作動させて線が残ったり、拭きムラが発生したりするのであれば、ゴムの劣化が考えられます。ワイパーがぎこちなく動き、耳障りな音を立てることがありますが、こうした現象もゴムの劣化などから発生するので、交換時期のサインといえます。

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