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普通の「アイサイト」と何が違う? スバルの高度運転支援システム「アイサイトX」のスゴさとは?

くるまのニュース / 2023年1月29日 20時10分

スバルの運転支援システムには「アイサイト」と「アイサイトX」があります。アイサイトXは「レヴォーグ」「WRX S4」「レガシィ アウトバック」に搭載されますが、普通のアイサイトとは何が違うのでしょうか。

■「アイサイトX」ってどんなもの?

 今はクルマの安全性に対する関心が高まっており、交通事故の防止が従来以上に重要になりました。

 クルマの安全性能において、国産メーカーでトップを行くメーカーはスバルでしょう。スバルでは、ステレオカメラを使った安全技術の開発を1990年に開始。その後に商品化を経て進化を重ね、2008年にはステレオカメラだけで衝突被害軽減ブレーキや車間距離を自動制御できる「アイサイト」の搭載に至りました。

 2010年にアイサイトはバージョン2に進化して機能が向上。価格を10万円(消費税抜)に抑えて「レガシィ」に搭載し、これをきっかけに、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能といった安全メカニズムが注目され、他メーカーの装着車も急増しました。つまりアイサイトは、クルマの安全性を底上げする役割を果たしたのです。

 このアイサイトの進化版として、「レヴォーグ」や「WRX S4」「レガシィ アウトバック」には、機能をさらに向上させた「アイサイトX」が採用されています。アイサイトXは、アイサイトコアテクノロジー(アイサイトの基本機能)に、アイサイトXテクノロジーを加えたものですが、一体どのような機能があるのでしょうか。

 まず基本的な機能とされるアイサイトコアテクノロジーには、安全装備の衝突被害軽減ブレーキ、後退時ブレーキアシスト、AT誤発進抑制機能、さらに運転支援機能とされる全車速追従機能付きクルーズコントロールなどが含まれます。これらのアイサイトコアテクノロジーだけでも安全性は十分に確保され、ドライバーの疲労も軽減され、疲れにくいということは運転ミスも抑えられ、安全性をさらに引き上げられます。

 そしてアイサイトXテクノロジーは高度運転支援システムに位置付けられ、技術力が一層向上。アイサイトXでは、GPS通信衛星や準天頂衛星の「みちびき」から受信した情報と、3D高精度地図データを組み合わせて、高速道路における自車の位置をさらに正確に把握します。例えば目的地に到着するまで、高速道路上の車線を頻繁に変更するような状況でも、正確な運転支援が可能になりました。

 アイサイトXテクノロジーが運転支援中に作動する具体的な機能としては、まず渋滞時ハンズオフアシストが注目されます。高速道路上で渋滞が発生した場合、一定の条件が整うとハンズオフ機能が作動してステアリングホイールから手を離しても運転支援が続きます。ペダル操作も含めて、渋滞によるドライバーの疲労が大幅に軽減されるため、快適性と併せて安全性をさらに向上できます。

 渋滞時発進アシストも備わり、渋滞で停車した後にドライバーの操作なしで先行車に続いて再発進することも可能。再発進時の操作が不要なため、ドライバーの疲労も軽減されるというわけです。

 さらに、車線変更を支援するアクティブレーンチェンジアシストも採用しました。ドライバーが方向指示機を操作して、車両側が安全を確認すると、ハンドルを制御して車線変更を支援します。

 加えてカーブ前速度制御も注目の技術です。カーブに入る前から、曲がり具合に合わせて減速し、曲がり終えたら再び設定されている速度まで加速します。カーブに入るときの速度が高すぎて、急いでブレーキペダルを踏むような心配が解消されます。

 このほか料金所前速度制御も採用しました。ETCゲートなどが近付くと、安全に通過できる速度まで自動的に減速します。通過した後は、再び設定速度まで加速します。

■2030年死亡交通事故ゼロを目指す

 このようにアイサイトXは、高速道路上のさまざまな状況に合わせて、キメ細かな運転支援をおこない、そのおかげでドライバーの疲労はさらに抑えられ、安全運転に集中できるよう支援するのですが、ドライバーの健康に問題が生じたときは、ドライバー異常時対応システムが作動します。

 ハンズオフアシスト中の前方不注意や、ツーリングアシスト中の手離し運転を検知すると、車両側が音と表示でドライバーのステアリング操作を催促。このときにドライバーの反応がないと、走行している車線を維持しながら、少しずつ速度を下げて停止。ハザードランプやホーンも作動させ、周囲の車両や歩行者にも注意を促す機能も備えました。

ウインカー操作だけで車線変更できる(アクティブレーンチェンジアシスト)ウインカー操作だけで車線変更できる(アクティブレーンチェンジアシスト)

 アイサイトXテクノロジーには、高速道路を中心に、安全性を高めて疲労を抑える数々の機能が盛り込まれており、この機能を搭載するレヴォーグやWRX S4、レガシィアウトバックは、いずれも走行性能が優れているため、長距離を移動するユーザーも多いでしょう。

 そうなると高速道路を通行する機会も増えますから、アイサイトXテクノロジーは、安全性を高めるうえで効果的なメカニズムだといえます。

 しかも価格が割安であることもポイントで、アイサイトXテクノロジーを標準装着した「レヴォーグGT EX」の価格(消費税込)は348万7000円です。アイサイトX非搭載の「GT」に比べて38万5000円高いのですが、デジタルマルチビューモニターなどの視界拡張テクノロジーや、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムも含まれます。これらのメーカーオプション価格が27万5000円ですから、アイサイトXテクノロジーは、実質11万円程度で装着されていることになります。

 2010年にアイサイトバージョン2を10万円に設定したときと同じく、スバルは優れた安全装備を低価格で装着しています。その理由は、安全性の向上には、実際に走行している装着車の台数も大切になるからです。

 仮に極めて高度な安全装備を開発しても、価格が高いために搭載車の販売台数が増えなければ、現実の事故件数を減らす効果も薄れます。

 アイサイト搭載車の場合、追突事故の発生率が1万台当たり6台と極めて低く、現在ほとんどのスバル車に標準装着されるようになりました。

 これに加えてより高度な運転支援をおこなうアイサイトXを割安に提供して搭載車を増やすことによって事故を防ぎ、スバルは2030年の死亡交通事故ゼロを目指しているのです。

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