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最初は「セリカ」の仲間だった!? トヨタ「カムリ」2023年末に国内生産終了へ 40年以上続いた複雑な歴史とは

くるまのニュース / 2023年4月15日 18時10分

2023年4月10日、トヨタは公式ウェブサイト上で「カムリ」の国内生産を年内で終了することを宣言しました。初代以来40年以上続いてきたカムリの歴史を振り返ります。

■複雑な歴史をたどってきたミドルセダン「カムリ」

 トヨタは2023年4月10日、ミドルセダン「カムリ」国内向けモデルの生産を年内で終了することを明らかにしました。同社を代表するセダンのひとつであるカムリは、北米を中心に現在でも海外では高い人気を誇る車種である一方、セダン需要の冷え切った国内での販売は低調となっており、苦渋の決断ということなのかもしれません。
 
 そこで今回は、そんな長い歴史を誇るカムリについて駆け足で振り返ってみたいと思います。もしかしたら皆さんの思い出のカムリもあるかもしれません。

 カムリの前身となったのは、1980年1月に登場した「セリカ・カムリ」というモデルでした。

 このクルマは名前の通りスポーティクーペ「セリカ」の派生車種であり、いわばセリカの4ドアセダンといった立ち位置。そのため駆動方式も当時のセリカと同じく後輪駆動(FR)となっていました。

 独立車種として初代となるカムリは、1982年3月に登場したモデルです。前年の東京モーターショーに展示された前輪駆動(FF)レイアウトの5ドアハッチバック「F120」の市販版となっています。

 ただ5ドアハッチバックは日本市場には投入されず国内の兄弟車「ビスタ」のみに設定され、セダンのみのラインナップとしてデビューしました。

 当初は1.8リッターのMTのみという設定でしたが、登場からおよそ4か月後にはAT仕様も追加され、アップライトでルーミーなキャビンを持つ新世代セダンとして人気を博しました。

 1986年8月に登場した2代目カムリは、FFレイアウトゆえの広い室内空間など実質的な機能はそのままに、優雅さをプラスしたモデルとなっており、上級車種のマークIIを思わせる仕上がりとなっていました。

 翌1987年4月には2リッター V型6気筒エンジンを搭載した上級車種の「カムリプロミネント」が追加されたほか、88年8月には4ドアハードトップモデルも登場しています。

 なおこのカムリプロミネントに2.5リッター V型6気筒エンジンを搭載し、細部を変更したモデルを、北米では初代レクサス「ES」として1989年に発売しています。

 このようにカムリは当初より世界市場向けの展開も広く実施したことで、日本と海外向けで異なる仕様が誕生するなど、複雑な歴史をたどることになります。

 1990年7月にフルモデルチェンジを果たし3代目へとなったカムリは、日本国内仕様を5ナンバーボディの専用車両とし、海外向けには3ナンバーサイズのワイドボディを持った車両を用意。この3ナンバーモデルは後に日本で「セプター」の名前で売られることになります。

 日本仕様は引き続き4ドアセダンとハードトップの2本立てで、V型6気筒エンジンが搭載されるプロミネントシリーズも継続設定。プロミネントには91年5月に2.5リッター V型6気筒モデルも追加されていました。

 ちなみにカムリプロミネントとは別に、1991年には上級仕様「ウィンダム」(海外ではこちらがレクサス「ES」2代目モデル)も登場しています。

 1994年7月に登場した4代目モデルは、先代と打って変わってバリエーションを縮小。これはバブル崩壊の影響もあったと言われていますが、ボディは4ドアセダンのみ、エンジンも4気筒のみで、内外装もコストダウンの影響が見て取れるものとなっていました。

 シンプルな構成になった4代目カムリでしたが、さすがにこれはやり過ぎと思ったのか、4代目登場のおよそ2年半後となる1996年12月に、北米市場で前出のセプター(北米カムリ)後継車としてモデルチェンジした3ナンバーボディを持つモデルを「カムリ・グラシア」(以下、グラシア)として国内向けに追加設定しました。

 このグラシアにはステーションワゴンモデルも存在しており、日本国内としては初めてカムリの名前を冠したワゴンが設定されました(輸出仕様には過去にワゴンモデルも存在)。

 グラシアは4代目カムリと並行して販売していましたが、98年7月に4代目モデルが終売となると、翌年のマイナーチェンジでセダンが「カムリ」へと名前を戻し、実質的に5代目カムリとなったのでした。

 なおこの4代目まで兄弟車として国内展開されていたビスタは4代目終売後、コンセプトの異なる別車種としてモデルチェンジし、独立を果たしています。

■グローバルモデルとして発展を遂げた「カムリ」

 2001年9月に登場した6代目モデルでは、再び海外仕様と共通のボディを持ったモデルとして再出発。日本仕様は2.4リッター 直列4気筒エンジンのみのラインナップとなっていましたが、ゆとりある室内空間など、ワイドボディの恩恵を感じられる仕様となっていました。

 続く7代目は2006年1月に登場。それまではどちらかというと保守的なイメージの強かったカムリですが、この世代からはスタイリッシュなデザインとなり、スポーティな雰囲気も感じられるものへと一新されています。

 日本仕様は引き続き2.4リッターエンジンのみとなっていましたが、海外ではV型6気筒 3.5リッターやハイブリッドモデルなども設定されていたのは、さすがはワールドワイドなモデルといったところでしょうか。

100以上の国・地域で販売されるグローバルモデルへ成長した現行(9代目/セリカ カムリを含めると10代目)「カムリ」ながら、国内では生産終了に100以上の国・地域で販売されるグローバルモデルへ成長した現行(9代目/セリカ カムリを含めると10代目)「カムリ」ながら、国内では生産終了に

 2011年6月に8代目が登場したカムリは、先代から一転してハイブリッド専用車に生まれ変わり、パワートレインは新開発の2.5リッターミラーサイクルエンジンにTHS(トヨタハイブリッドシステム)IIを組み合わせたもの。燃費はJC08モードで23.4km/Lとなっており、3リッタークラスの出力とコンパクトカー並みの燃費性能を両立したモデルとなりました。

 2014年9月にはマイナーチェンジを実施し、エクステリアデザインを大幅に変更。よりアグレッシブなスタイルとして、ユーザーの若返りを狙っていたようです。

 そして現行型となる9代目モデルは2017年7月に登場。このモデルはトヨタの新たなクルマづくりの指標である「TNGA」をカムリとしてフル投入した初の車両となっており、エンジンやプラットフォームから内外装のデザインに至るまですべてが一新された1台となっていました。

 この時点でカムリは世界10か所の工場で生産され、100以上の国や地域で販売されるグローバルモデルへと成長し、2017年時点の累計販売台数は1800万台以上を記録しています。

 なかでも米国では、2002年から15年連続で乗用車販売台数No.1を獲得する最重要モデルとなっていました。

 2018年8月の一部改良では、日本仕様のカムリとしては久々のスポーティグレードとなる「WS」を追加。このモデルは交通系取締用の覆面パトカーとして採用されたことでも話題となった仕様でした。

※ ※ ※

 このように、セリカ・カムリの時代からカウントすれば10世代、43年にも渡る歴史を誇るグローバルモデルのカムリ。

 残念ながら、セダンに人気がない日本での販売は終了してしまいますが、米国をはじめ海外ではまだまだ高い人気を誇っており、次期型の開発が進んでいるとの噂も海外サイトなどで報じられているようです。

 もしかしたら次世代のカムリが、再び日本国内で復活する可能性もゼロではないかもしれません。

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