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トヨタ新型「“最上級”クラウンスポーツ」実際どう? 300馬力超えパワトレ+6ピストンキャリパー搭載! 最もスポーティな“クラウン”の実力とは

くるまのニュース / 2024年3月13日 10時10分

2022年7月15日に登場した16代目となる新型「クラウン」シリーズ、中でも最もスポーティな個性が与えられたのが新型「クラウンスポーツ」ですが、そんな同車に2023年12月19日には、“最上級モデル”となる「PHEV」も登場しました。今回は同モデルの実力を解説します。

■「クラウンスポーツ」最上級モデルの実力とは

 16代目となる新たなクラウンシリーズの中で最もエモーショナルな存在の新型「クラウンスポーツ(以下:クラスポ)」ですが、そのフラッグシップモデルとなるPHEV(プラグインハイブリッドモデル)に試乗してきました。

 筆者は昨年、クラスポのプロトタイプをクローズドコースで味見していますが、今回は量産モデルを一般公道で試してみました。

 まずは見た目の部分ですが、ここは少々辛口です。

エクステリアはHEV(ハイブリッドモデル)との違いは僅かで、右側に追加された給電口(左側は給油口)やPHEVバッジ以外だと、「マットブラック塗装のアルミホイール(HEVはグロスブラック塗装)」とホイールの隙間から見える「対向6ピストンアルミキャリパー(レッド塗装)」の2点。

 個人的にはホイールは艶黒のアンダー部とのマッチングを考えると、色ではなくデザインを変えるべき(クロスオーバーはRSに専用デザインを採用)、赤キャリパーもボディカラーに合わせたコーディネイトが欲しかった……と言うのが本音です。

 インテリアはPHEV専用となるブラック&レッドのコーディネイト(トリム配色は何と左右非対称)が特徴です。

 それに合わせてステアリングのステッチや加飾、シートベルトも同色でコーディネイト。クラウンとは思えない大胆な挑戦には賛同するも、「スポーツ=赤」からの脱却を感じさせる提案も欲しかったかなと。更に言うとフル液晶メーターも専用表示があっても良かったのではないでしょうか。

 ちなみにシートはPHEV専用のスポーツシート(電動式)を採用。HEVのスポーティシートよりフィット感が高く掛け心地に優れているので、これは全車共通でも良いと思ったくらい。

 逆にガッカリはオーディオで、海外仕様には設定がある「JBLオーディオ」が用意されていない事を指摘したいところ。静かな空間を手に入れたからこそ、妥協せず採用して欲しかった装備です。

 一方、走りの部分は「クラスポの本命はコレでしょ!!」と思ったくらい良かったです。

PHEVのパワートレインは、HEV(2.5リッター+THSII)E-FOURをベースに、フロントモーターの出力アップ(88/202Nm→134kW/270Nm)、バッテリーの大容量化(ニッケル水素:1.2kWh →リチウムイオン:18.1 kWh)、PCU、DC/DCコンバーターなどを変更。

 ちなみにハード自体は「RAV4 PHV」と共通ですが、クラスポに合わせた専用制御になっています。

■気になる“走り”の印象は?

 まずはEVモードで走ります。2030kgの重さを感じさせない余裕の動力性能はもちろん、ドライバーのペダル操作に合わせて必要なだけ力強さが増していくフィーリングはRAV4 PHVと共通ですが、より滑らか、より操作に忠実な印象です。そういう意味では、スポーツと言うよりもエレガントなキャラクターです。

赤の大型キャリパーもカッコイイ!赤の大型キャリパーもカッコイイ!

 一方HEVモードはシステム出力306psながらも、体感的には「おっ、力強い!!」と言うより「おっ、余裕あるね!!」と言う印象です。

 例えるならば、出力を回転で稼ぐのではなくトルクで稼いでいるイメージ。エンジンもよほどの急加速をしない限りは黒子に徹しており、HEVより遠くでエンジンが回っているように感じるくらい静かです。

 この辺りは高級車ブランドであるクラウンの世界観を損なわない専用制御(実はパワートレインだけでなくシャシー制御……アクセルを踏んだ時の車両姿勢の変化の少なさも寄与)の賜物ですが、クラウンシリーズの中での“エモーショナル”なクラスポの立ち位置を考えると、「見た目に対して大人しい!?」と感じたのも事実です。

 個人的にはドライブモード「SPORT」のみでいいので、モーターのパフォーマンスを最大限に活用して「おっ、クラスポ凄い!!」と言わせるようなブースト機能があってもいいかなと。開発陣は「PHEVはターボだけがスポーツじゃない」という提案だと語っていますが、それならば余計にそういう”仕掛け”も欲しかったです。

 フットワークは実は今回の試乗で一番驚いた部分です。ちなみにHEVからの変更点はAVS(アダプティブ可変ダンパー)とフロアトンネル部のブレース追加の僅かで、タイヤはHEVと同じ235/45R21サイズのミシュランeプライマシーを履きます。

 筆者はトヨタにとってPHEVは電動化戦略における重要な存在なのは理解するも、クラスポに設定する事に対しては否定的でした。その理由はPHEV化による車両重量の増加で、クラスポの特徴「走りの楽しさ」が損なわれると思ったからです。

 しかし、実際に試乗すると重さのハンデは感じないどころか、HEVより勝っている部分も感じられました。

 もう少し具体的に言うと、一般的にHEVをPHEV化すると、車両重量増加によりハンドリングは“穏やかな特性”になりがちですが、クラスポのハンドリングは、HEVで感じた「より俊敏」、「より爽快」、「よりレスポンシブ」、そして「より曲る」性格は、不変どころかより精度が高まった印象です。

 つまり重量のハンデを全く感じさせないハンドリングです。

 この辺りを車両の味付けを担当した凄腕技能養成部の片山智之氏に聞くと、「電子制御と真摯に向き合った結果ですね。もう少し具体的に言うと、コーナリングの一連の流れの中で、ブレーキ/AVS/DRSをどのように連携させるがキモです」と教えてくれました。

 もう少しかみ砕くと、減速時に回生ブレーキやAVSの活用でノーズダイブを抑えて車両を安定→ターインの時に僅かにフロントのダンパーの減衰を緩めて荷重を乗せやすくする→コーナリング中はDRSとブレーキ制御(ACA)、E-FOURの駆動力制御の連携でより曲がりやすく→立ち上がりはE-FOURの駆動力配分を上手に活用……と言った感じで、まさに基本素性+統合制御のタッグにより、重量ハンデを克服。

 もちろん、これら制御の介入は自然かつ滑らかなので、ドライバーはそれに気づく事はないでしょう。現在、ソフトウェア領域はクルマ開発に欠かせない重要な分野ですが、シャシー分野に関してトヨタは“秘伝のレシピ”を手に入れた気がしています。

 乗り心地に関しては重量増を活かしたシットリした足の動きに加えてAVS採用により、HEVとクラウンシリーズの中では引き締められた味付けですが、大きな入力(段差や目地の乗り越え)は優しくいなし、細かい入力(ザラザラ/ビリビリ)は瞬時に収束してくれるので、快適性に関しては「硬くないスポーツ」に恥じない仕上がりだと感じました。

 そろそろ結論に行きましょう。クラスポPHEVは、電動化を走りの楽しさにも活用した新時代スポーツの提案であり、まさに「クラスポの本命はこれ!!」と言っていい仕上がりだと思います。

 価格はHEV+175万円高の765万円ですが、CEV補助金(55万円)を活用すればその差は120万。個人的にはそれだけの価値はあると思っています。

 もちろん「そんな高いのは買えない!!」と言う声もあるでしょうが、頭金100万で残価設定ローンを活用すれば、残価率も高いので想像しているよりもリーズナブルに手に入れられるはずです。

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