アモルファス材料における力の伝播メカニズムを解明 〜高強度・高耐性粉体材料の新規開発に期待〜
共同通信PRワイヤー / 2024年4月22日 14時0分
コンクリートやセメントなどの粉粒体材料は、建築物や道路など様々な場所で利用されています。このような材料は重い物質を支えるため、高強度であることが必須となっています。一方、地震などの大きな振動において、単に強度が大きいだけでは、ひび割れが生じ、一気に崩壊してしまいます。砂場の砂のように、ランダムに配置された乾燥した粉粒体に力を加えた時、鎖状に伝播することが知られています。力が大きくかかる領域では破壊が起こりやすいため、フォースチェーンがどこに発現するかを知り、その場所を補強することで、壊れにくい材料を開発することができます。しかしながら、フォースチェーンの存在は知られているものの、どこに発現するかはわかっていませんでした。また、フォースチェーンがない状態に比べ、材料の物性がどう変化しているのかについてもわかっていませんでした。
4 研究の詳細
・配置や内部の相互作用を弾性率に組み込んだ粗視化粒子シミュレーション
アモルファス材料の場合、原子や粒子の配置がランダムであり、局所的な配置によって硬さが異なります。 また、粉体のような粒子同士に摩擦が働いたり、特定の相互作用をする場合、その相互作用によっても局所的な硬さが変化します。これらを1粒子レベルで扱うと扱う粒子が膨大となり、計算することは困難です。 そこで、数個の粒子の配置や相互作用を1つの粒子の弾性率に組み込み、弾性率の異なる粒子を並べ、アモルファス材料を表現しました。この手法は、高分子や膜などソフトマターではよく用いられている粗視化とよばれるもので、マクロな物性を知ることができます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404189673-O11-5dH0BjaR】
図 1 粉体と高分子系における粗視化の例。今回は soft particle モデルを用いてシミュレーションした。
・フォースチェーンの形成
図2は、弾性率の高い領域の空間分布(a)と、力が大きくかかっている領域の分布(b)を示しています。 弾性率の高い領域に力がかかっている様子が見られますが、弾性率の高い領域は点在しているのに対して、力の分布はネットワーク状になっています。両者には相関があるが、完全に一致しているわけではありません。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404189673-O14-Ln30quHG】
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