アモルファス材料における力の伝播メカニズムを解明 〜高強度・高耐性粉体材料の新規開発に期待〜
共同通信PRワイヤー / 2024年4月22日 14時0分
図4 (a)ポテンシャルの弾性率揺らぎの強度依存性。(b)ポテンシャル変化量と弾性率揺らぎの強度の相関。Logーlog プロットしており、点線はΔの2乗。(c) ポテンシャル変化量と密度分布の相関。点線はσの2乗。(d)相関距離と弾性率揺らぎを組み込んだ実効的弾性率の揺らぎ強度とポテンシャル変化量。点線はΔr の2乗。
5 研究の意義と波及効果
アモルファス材料において、力の伝播機構の解明が望まれていました。そこで、配置や内部の相互作用を弾性率に組み込んだ粗視化粒子シミュレーションを行いました。その結果、局所的に弾性率の高い場所とそれに挟まれた領域にフォースチェーンが形成されることがわかりました。これは挟まれた領域の密度変化によって起きたことがわかりました。また、フォースチェーンが形成される系ではポテンシャルエネルギーが小さくなることがわかりました。 今回の研究から、局所的な弾性率が均一であるほど、体積弾性率が高いことがわかりました。すなわち、材料が固くなることを意味しています。また、力の分布も均一になるため、応力集中による材料の破壊が起こりにくくなると期待されます。局所的な弾性率の起源がまだわかっていませんが、これが解明されることで、高強度で交代性の粉粒体材料の開発が期待されます。
【用語解説】
(注1) フォースチェーン:系に外力をかけたときに、内部に鎖状に力が伝播すること。
(注2) アモルファス:粒子や原子がランダムに配置されている状態。
(注3) 体積弾性率:構造の硬さの指標の一つで、圧縮歪みに対する反発力の大きさを決める。1次元であれば、バネ定数と同じとなる。
【発表論文】
<タイトル> “Formations of force network and softening of amorphous elastic materials from a coarsen-grained particle model”
<著者名> Rei Kurita、 Yuto Tamura and Marie Tani
<雑誌名> Scientific Reports
<DOI> https://doi.org/10.1038/s41598-024-59498-2
関連URL:https://kyodonewsprwire.jp/release/202404189673
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。詳細は上記URLを参照下さい。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
この記事に関連するニュース
-
東北大、和紙を原料とした高機能・高生分解性の低環境負荷な複合材料を開発
マイナビニュース / 2024年5月16日 18時25分
-
東大など、金属並みの熱伝導率と電気絶縁性を兼ね備えたゴムシートを開発
マイナビニュース / 2024年5月16日 17時56分
-
不規則なガラス構造に隠された規則性
共同通信PRワイヤー / 2024年5月13日 14時24分
-
北大など、リュウグウ試料の表面に初期太陽系の新たな磁気記録媒体を発見
マイナビニュース / 2024年5月2日 17時18分
-
ガラスがより硬く割れにくい材料に変化する初期過程をNIMSとJASRIが観測
マイナビニュース / 2024年4月22日 17時24分
ランキング
-
1飲むヨーグルトが「乳酸菌バブル」でジリ貧の理由 市場は逆転寸前、かつての人気を取り戻せるか
東洋経済オンライン / 2024年5月19日 7時20分
-
2東京から新幹線…「新神戸」よりも、一駅先の「西明石」まで買った方がおトク!? JR往復割引「601キロ」のカラクリ
まいどなニュース / 2024年5月19日 8時2分
-
3ローソン、コーヒーなどの「濃さ」選べる仕様に 背景に“客離れ”回避
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月19日 8時0分
-
4都内「自転車が命がけ!」危険スポット5選 「左折車こわっ!」「マジで、ここ進むの…?」
乗りものニュース / 2024年5月19日 8時12分
-
5消えゆく「回転レストラン」…80年代には全国50店→再開発・老朽化で数店舗に
読売新聞 / 2024年5月18日 15時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください