アモルファス材料における力の伝播メカニズムを解明 〜高強度・高耐性粉体材料の新規開発に期待〜
共同通信PRワイヤー / 2024年4月22日 14時0分
図2 (a)弾性率の高い領域の分布、(b)力が大きくかかっている領域の分布。両者には相関はあるが、一致しているわけではない。
・力の伝播メカニズム
弾性率と力の分布の相関が減少する理由を探るため、図3のようなモデルシステムを構築しました。上下に弾性率の高い領域を配置し、その他は弾性率の低い領域です。上下作用から圧縮を加えたところ、図3(b)のように弾性率の高い領域に挟まれている領域でも力が伝播していることがわかりました。この領域は弾性率は低いのですが、弾性率の高い領域に押し込まれることによって、密度が上昇し、実効的に弾性率が高くなっていることがわかりました。図2(b)においても、密度変化を調べてみると、力が大きい領域では密度が高くなっていることが見出されました。局所的な弾性率だけでなく、力を加えた時の密度変化が重要であり、これらによってフォースチェーンが形成されていることがわかりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404189673-O12-yGj2WsdP】
図3 (a)紫の領域は弾性率が高く、緑の領域は弾性率が低い。(b)赤の領域は力が大きくかかっている領域。挟まれている領域にも大きな力がかかっている。
・弾性ポテンシャル
系全体の弾性ポテンシャルは、体積弾性率に関わっているため、系の硬さを決めています。そこで、弾性率の平均は同じだが、空間分布が異なる系を用意し、そこに 0.1%の歪みを与え、弾性ポテンシャル U の変化を調べました。弾性率の分布は、弾性率の揺らぎ強度Δと相関長ξの2つで特徴付けられます。U はΔとξが大きいほど小さくなることがわかりました。すなわち、系が不均一になる程、系は柔らかくなることを意味しています。 さらに、このポテンシャル変化量はΔの2乗に比例することや密度変化の2乗に比例することを理論的に導くことに成功しました。また、系は弾性率の揺らぎ強度Δと相関長ξの2つで特徴付けられるのですが、長さスケール変換を行うことで、2つのパラメータを組み込んだΔr でスケーリングできることを見出しました。これは、粗視化のスケール変換を保証するものであるため、アモルファス材料における粗視化モデルの正当性が示されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404189673-O13-Dhhj6UT8】
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