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肝硬変患者における急性腎障害発症は予後を悪化させる

共同通信PRワイヤー / 2024年7月4日 18時0分

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407033091-O6-bz136A2L】【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407033091-O7-q3J4p3V1

 以上のことから、本邦の肝硬変患者において約27%がAKIを発症し、AKI発症は肝硬変患者の予後を増悪させることが明らかとなりました。またAKI発症のリスク因子として肝予備能の他にアミノ酸インバランスや肝硬変の成因としてアルコール関連肝疾患と代謝異常関連脂肪性肝疾患を背景とした肝硬変患者のリスクが高い可能性が示されました。本研究により、本邦の肝硬変患者におけるAKIの重要な疫学データが得られるのみならず、AKIの高リスク症例を同定することでAKIの早期発見や予防を目指した肝硬変患者の診療指針の策定に寄与することが期待されます。


今後の展開

 本研究により、肝硬変患者に合併するAKIは本邦の肝硬変患者に高頻度に合併し、患者の予後と関連していることが明らかになりました。また、そのリスク因子としてアミノ酸インバランスやアルコールや代謝異常に関連する脂肪性肝疾患の関与が示唆されました。アミノ酸インバランスはBCAA製剤などの栄養療法により改善することが可能であり、近年アルコール性肝疾患や代謝異常関連脂肪性肝疾患に対する栄養介入も注目されております。したがって本研究成果が、肝硬変患者のAKIリスクの層別化や、高リスク因子を是正するための栄養療法あるいは生活習慣改善につながることで、肝硬変患者のAKIの早期発見・予防と健康寿命の伸長に寄与することが期待されます。


用語解説

1) 急性腎障害(acute kidney injury; AKI):

 急性腎障害は数時間から数日の経過で急激に腎機能が低下する状態である。本研究では国際診断基準により過去3か月間に得られた血清クレアチニン値あるいは入院時のクレアチニン値を基準値とし、クレアチニン値が48時間以内に0.3 mg/dl以上増加、または基準値から50%以上増加し、その増加が7日以内に発生した場合、AKIと診断した。

2) ハザード比:

 ハザード比は生存分析では、説明変数によって記述された条件に対応するハザード率の比である。たとえば、医薬品Aを用いた群の単位時間当たりの死亡率が医薬品Bを用いた群の死亡率の2倍である場合、ハザード比は2となる。

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