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肝硬変患者における急性腎障害発症は予後を悪化させる

共同通信PRワイヤー / 2024年7月4日 18時0分

3) アミノ酸インバランス:

 肝硬変患者は血中のアミノ酸濃度が変化し、ロイシン、イソロイシン、バリンなどの分岐鎖アミノ酸が減少し、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシンなどの芳香族アミノ酸が増加することがアミノ酸インバランスとして知られている。BTRは、アミノ酸インバランスを評価するための簡便なバイオマーカーであり、アミノ酸インバランスは、肝性脳症、肝細胞癌、サルコペニアなど、肝硬変の合併症に関連することが知られている。

4) アルコール関連肝疾患:

 アルコール性肝疾患は、酒の常用飲用によって引き起こされる一連の肝疾患のことであり、アルコール性脂肪肝に始まり、肝細胞の破壊が進行するとアルコール性肝硬変に至る。

5) 代謝異常関連脂肪性肝疾患:

 代謝異常関連脂肪性肝疾患は肥満、糖尿病、その他の内分泌代謝障害に関連した脂肪性肝疾患であり、慢性的な脂肪肝炎が起こることにより肝硬変へと病態が進展する。

6) 時間依存性変数共変量を考慮したCox比例ハザード回帰分析:

 時間依存性変数共変量を考慮したCox比例ハザード回帰分析はアウトカムに影響を与える因子が時間とともに変化することを考慮した解析手法である。本研究では経過中におけるAKI発症、顕性肝性脳症発症、肝細胞癌発症を時間依存性変数共変量として解析した。

7) Fine–Gray比例ハザード回帰分析:

 Fine–Gray比例ハザード回帰分析は競合リスクを考慮した解析手法である。2つのイベントがある際に、一方のイベントが起こると他方のイベントが観測できない場合に用いる手法である。本研究では「AKI」と「AKIが発生する前に死亡」というイベントが、互いに競合するため、競合リスクを考慮した解析を行った。


【論文情報】

雑誌名:Journal of Gastroenterology

論文タイトル:Acute kidney injury development is associated with mortality in Japanese patients with cirrhosis: impact of amino acid imbalance

著者: Miwa T1, Utakata Y2, Hanai T1, Aiba M2, Unome S1, Imai K1, Takai K1, Shiraki M2, Katsumura N2, Shimizu M1.

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