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COP29開催でも話題!気候変動の影響により大きく変化する海洋事情!

共同通信PRワイヤー / 2024年8月20日 14時0分


――気候変動などで漁場は日々変化していますが、未来の海の状況を予測することは可能なのでしょうか。

 2012年から環境DNA※の研究を始め、2017年から全国各地でのサンプル採取を継続しています。生態系の変動予測はまだ世界でもほとんど成功していない分野です。やっとここ数年で、できる可能性が出てきた、という段階でしょうか。そのように、自然はさまざまなものが複雑に絡み合っていて予測が難しい。だからこそ地道に環境DNA研究を行い、データを取り続ける必要があるのです。環境DNAで得た大量のデータと良いモデリング、この二つが予測の鍵になってくれると期待しています。研究結果も2024年中には見えてくる予定です。


――海洋や自然を守っていくために、企業や消費者が留意すべきことは何でしょう。

 大量の商品に囲まれて都市で暮らす人々には、海の温暖化の危機感が伝わりづらいかもしれませんが、今まで獲れていた魚がどんどん獲れなくなっていることは事実であり、地域にとっては大きな問題です。企業は、地域の自然が維持される方法で商品を流通させ、購買が起きる仕組みづくりが必要です。消費者が今日からできることといえば、自然に配慮した商品を選んで買うということです。ある意味、購買という行為は選挙みたいなものですよね。買えば買うほどそこにお金が流れて、持続的な産業になっていく。きちんと商品を選び、企業を応援することこそ、消費者ができる自然への貢献だと思います。


※環境DNA調査とは…川や土など、その環境で生息する生物由来のDNAからその地域、水域に生息する生物の種類組成の全体像を把握する調査。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202408195064-O13-5sDIpuj2

東北大学大学院生命科学研究科 教授 近藤倫生(こんどう・みちお)


京都大学理学部卒業、京都大学理学研究科博士後期課程修了(博士(理学))。日本学術振興会PD、龍谷大学理工学部講師、准教授、教授を経て、2018年4月より現職。

環境DNA学会(2018年設立)初代会長。日本生態学会宮地賞(2004年)、日本数理生物学会研究奨励賞(2009年)、Akira Okubo Prize(2011年、日本数理生物学会・Society for Mathematical Biology)、文部科学大臣表彰若手科学者賞(2013年)受賞。

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